滋賀県や彦根市が世界遺産登録を目指す彦根城について、ユネスコ諮問機関からの事前評価結果が公表されました。 県などの国内推薦に向けた戦略については、その方向性を「支持する」とした一方、一層厳密な比較分析や、他の城と共に目指すことの検討など、課題も示されました。世界文化遺産登録を目指す彦根城は、ユネスコへの推薦前に、ユネスコの諮問機関・イコモスから推薦書の内容に関する助言を受ける「事前評価」制度を取っています。文化庁のまとめによりますと、諮問機関・イコモスは、県などが、２６０年間という長期の平和を成し遂げた徳川幕府による政治の仕組み「大名統治システム」の重要性に注目したことを「支持する」として、方向性に理解を示しました。 その一方で、この「大名統治システム」を彦根城単体で完全に表現できるかどうかについては、「あり得る」としつつも課題も示し、これまで通り、彦根城単体での推薦を目指す場合は、国内の他の城とのより厳密な比較や、更に詳細な説明の必要性などを指摘しています。またイコモスは、彦根城を含め、完全な形で残っている城郭はなく、形状など様々なものがある中で、複数の城と合同での推薦の可能性についても検討することが必要としています。県の担当者は、「現時点では彦根城単独登録が前提」としていて、県などでは、今回の事前評価結果をもとに、国への推薦書を作成し、今年度中に提出する方針です。