草津のスタートアップ企業がCO2吸収アクセサリー 「行動変容の小さな一歩」
環境素材を研究開発するスタートアップ企業「ベホマル」(草津市野路東1)が現在、CO2を吸収するアクセサリー「美環(ビノワ)」の商品化を進めている。(びわ湖大津経済新聞) 【写真】ベホマル社長の西原さん 「美環」は、同社が開発した植物由来のCO2吸収材が入った樹脂「DACプラ」を使用したアクセサリー。青く色付けたレジンの中にCO2吸収材の粉末を混ぜ、空をイメージしたデザインに仕上げた。製品自体がCO2を吸収するだけでなく、製造や梱包(こんぽう)で排出するCO2も減らし、使わなくなったアクセサリーは廃棄せずに回収して製品が吸収したCO2を放出させて植物を育てる資源循環も実現する。 同社社長の西原麻友子さんは企業で技術者として働いていたが、「温暖化が進み、自分の子どもが大人になる頃には外を歩けないくらい暑くなるのではないか」と危惧して2022年11月、同社を起業。2023年6月に立命館大学びわこ・くさつキャンパス内のインキュベータにラボを開設した。 西原さんが目指しているのは「誰もが地球を救う勇者になれる取り組み」。西原さんは「環境に興味はあるが自分にできることはないと感じている人が、環境について考えて行動するきっかけになれば。アクセサリー1つが吸収できるCO2はごくわずかだが、身に着けることで環境を意識するようになり、行動変容につながると思う。気軽に環境に貢献できる新しい形のエコアクションとして提案したい」と話す。 取り組みについて知ってもらい、同時にニーズも確かめようと、10月4日にクラウドファンディングを始め、1カ月で37万円以上の支援を集めた。西原さんは「知らない人に支援してもらうという目標も達成できた。どんどん輪が広がって社会的ムーブメントを起こしたい。小さな一歩を、小さなアクセサリーと共に踏み出したい」と意気込みを見せる。 クラウドファンディングは11月27日まで。ネットワーク型クラウドファンディングシステム「ENjiNE」を利用する「わらかどひろば」「CAMPFIRE ENjiNE」など6つのサイトで同時掲載している。返礼品には、「美環」のネックレスやピアス、イアリングなどを用意する。終了後、正式に商品をリリースする予定。
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