岡田将生、自分の気持ちを見失いがちだった20代を経て「もっと“言葉”を知りたい」
自分の気持ちに迷ったら、大切な人に会いにいく
――仕事にプライベートにと、変化が激しく悩みも多い年代ですが、同世代に向けて何かエールをいただけないでしょうか。 岡田: 何があっても自分を見失わないように。まず自分自身の心と会話しましょう……って、僕自身に言っていることでもあるんですが。同世代の人は、役職についたりして、仕事も責任も増えるタイミング。結婚や出産などプライベートで変化がある人もいるかもしれないし、すごく大変な時期だと思います。だからこそ、自分がどうしたいかを見失わないことが大事ですよね。 なんて偉そうに言っていますけど、僕はしょっちゅう自分を見失います(笑)。特に20代のときはプレッシャーも大きかったし、ひとりの時間が少ないことで、どんどん自分がどうしたいかがわからなくなっていった。その結果、人に失礼な態度を取ったこともありました。自分を大事にしていないと、人のことも大事にできなくなっていくんですよね。そのとき辛かったからこそ、今は自分の気持ちを丁寧に見つめていたいと思う。自分を大事にして、人も大事にしたい。 ――自分の気持ちがわからなくなったとき、何かしていることはありますか? 岡田: 僕は、自分にとって大切な人たちに会いにいくようにしています。だいたい友達や家族ですね。そして、その人たちに向かって、自分の気持ちを話してみるんです。 捉えどころがないような気持ちでも、言葉にしないと自分もわからないし、誰にも伝わらない。「僕はこう思っている」「こういうことがあったから、今、僕は悲しいんだ」。そうやって気持ちを言語化するのは難しいけれど、頑張って言葉にしてみる。躊躇(ちゅうちょ)なく気持ちを伝えられる相手に話してみることで、自分の気持ちが明確になっていくんです。 自分を知るのは難しいですよね。だから、これからもっと小説を読もうと思っているんですよ。僕には、もっと「言葉」が必要だと思うので。 ――「自分の気持ちをストレートに伝えても大丈夫だ」と思えるような人は、自分を見失わないためにも大切な存在ですね。 岡田: 本当にそうです。だから……僕は今から悩みを打ち明けるんですけど(笑)、この年齢になると家庭を持っている友達も多くて、なかなか独身時代のようには自由に会えなくなってきていて。それが……寂しくて(笑)。これも30代半ばの“あるある”かな。