ブルース・ディッキンソンが語る「マンドレイク計画」の真実、アイアン・メイデン日本公演の展望
ソロとアイアン・メイデン、ステージの展望
―2024年4月から7月までソロとしてのツアーを北米・南米・イギリス・ヨーロッパで行うことが発表されていますが、どのような構成になるでしょうか? ブルース:1972年へと回帰するんだ。俺が学生の頃、ロックのライヴに行くようになった原点に戻っていく。派手なライティングもパイロテクニックもなく、音楽だけでみんなの心を揺さぶるんだ。スクリーンに映像を映すかもしれないけど、あくまで主役は音楽だ。クリック・トラックに合わせてプレイすることもない。ツアー・バンドは凄腕ミュージシャン揃いだし、自由なパフォーマンスにするつもりだ。『The Mandrake Project』からは4曲ぐらいプレイするつもりだよ。ソロ・ツアーはもう20年ぶりだし、『Accident Of Birth』(1997年)や『The Chemical Wedding』(1998年)の曲を聴きたいファンもいると思うしね。アイアン・メイデンのツアーもソロの2カ月後にやるから、メイデンの曲を聴きたいファンはそちらで聴くことが出来るよ。 ―『The Mandrake Project』コミックの連載中、2024年9月にはアイアン・メイデンの日本公演が行われますが、どんなショーを期待出来るでしょうか? ブルース:『Senjutsu』と『Somewhere In Time』(1986年)からの新旧のナンバーを中心とした“The Future Past Tour”で日本に行くんだ。新作の曲をプレイするのは初めてだし、『Somewhere In Time』からの40年近くぶりに日本でやるナンバーもある。最高にエキサイティングなショーになるよ。その前のニュージーランド公演から5日間空くから、早めに日本入りするつもりなんだ。外国でリラックス出来る機会は珍しいし、うちの奥さんが来るのは初めてだから、プライベートな観光もするつもりだよ。城も訪れたいし、広島にも行くつもりだ。寿司も食べに行きたい。 ―1986年といえばジューダス・プリーストの『Turbo』、クイーンズライクの『Rage For Order』、レイヴンの『The Pack Is Back』など、メタルとテクノロジーのクロスオーバーが盛んな1年でしたが、『Somewhere In Time』を作ったときの心境はどんなものでしたか? ブルース:その時期に限らず、ロック・バンドは常にテクノロジーを取り入れてきたんだ。トランジスター・アンプでチューブ・アンプの音を再現したり、サンプリングやシーケンサーを取り入れたりね。『Somewhere In Time』の頃はエイドリアン(・スミス:Gt)がギター・シンセを弾いたり、判りやすいフューチャリズムがあった。目新しさもあって、「凄い、ギターでハモンド・オルガンの音が出る!」とか喜んでいたよ。ただのギミックに終始したバンドもいたけど、ラッシュのタウラス・ペダルの使い方は素晴らしかった。ニュー・アルバムの「Sonata (Immortal Beloved)」では80年代ですらチープに聞こえるドラム・マシンを使っている。決して人間のプレイを模倣するのではなく、機械っぽい効果を得ようとしたんだ。これからもさまざまなやり方でテクノロジーと付き合っていきたいね。 --- ブルース・ディッキンソン 『The Mandrake Project』 発売中 アイアン・メイデン来日公演 THE FUTURE PAST WORLD TOUR 2024 2024年9月22日(日)愛知・スカイホール豊田 2024年9月24日(火)大阪城ホール 2024年9月26日(木)東京ガーデンシアター ※SOLD OUT 2024年9月28日(土)神奈川・ぴあアリーナMM ※SOLD OUT! 2024年9月28日(土)神奈川・ぴあアリーナMM ※追加公演
Tomoyuki Yamazaki