雪冷房で市役所ヒンヤリ 豪雪地ならではの自然エネルギー
雪を活用したエネルギーの利用を進めている新潟県南魚沼市は8月21日、保管していた雪を使った冷房システムを、市役所本庁舎南分館で稼働させた。市の公共施設で雪エネルギーを使った冷房システムの導入は初めて。今後は道の駅や給食センターなどで利用し、市民への周知と脱炭素社会の実現を推進する。 豪雪地の南魚沼市では、雪室を使った食品の保存や熟成で商品価値を高めるなどの取り組みが行われている。市も2018年から、除排雪した雪を夏場のエネルギーに活用する実験を進めてきた。 8月21日は、事業に共同で取り組んだ長岡技術科学大学の上村靖司教授(58)や、オープンキャンパスで集まった県内外の高専生ら計10人が見学に訪れ、市役所職員から冷房システムの説明を聞いたり、約25度に保つ庁舎内の設備を見学したりした。 上村教授は「捨てていた雪がエネルギーになるのは悲願でもある。特別豪雪地の南魚沼が持つ雪という武器が今後の地域づくりにもつながっていく」と話した。