岸田政権 支持率低下で「青木率」の危険領域までポイント下がる
ジャーナリストの佐々木俊尚が11月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。政務三役の連続辞任について解説した。
政務三役の連続辞任に松野官房長官「一層の緊張感持つ」と発言
―– 松野官房長官)政府としては一連の辞任を重く受け止め、一層の緊張感を持って職務に当たっていく所存であります。まずは国民生活や事業活動に重要な経済対策の裏付けとなる補正予算の編成を速やかに進め、国会への早期提出と成立に取り組んでいきます。 ―– 松野官房長官は11月14日の記者会見で、過去の税金滞納が発覚した自民党の神田衆院議員が財務副大臣を辞任するなど政務三役の辞任が相次いだことについて「政府として重く受け止め、一層の緊張感を持って職務にあたる」と述べた。 飯田)与党内からも批判が相次いでおり、「もっと早く辞めさせるべきだったのではないか」という声も飛んでいます。 佐々木)「身体検査はどうなっているのか」という意見も出ている。財務副大臣が過去にも税金を滞納していたのは、さすがにどうかと思います。 飯田)4回の差し押さえがあったそうです。
支持率低下で「青木率」の危険領域50%に迫る65%まで下がっている
佐々木)文部科学政務官の山田議員が辞任した理由は女性問題ですからね。これは予測不可能なので、そこで政権の責任を問うても仕方ないのかなと思います。今回のような相次ぐ辞任も、政権運営が堅調であれば、ある程度は吸収できますが、現在はかなり支持率が低下しています。世論調査によると3割を切るところもありますし、自民党自体の支持率も下がっている。世論調査の見方の1つに「青木率」があるではないですか。 飯田)内閣支持率と与党第1党支持率の和が50%を下回れば……。 佐々木)政権が倒れるという。いま青木率を計算すると、65%くらいまで下がってきています。かなり危ない領域にいるのは間違いありません。
減税を打ち出したのに「防衛費増額」との整合性なく、支持率が上がらない
飯田)減税を打ち出したけれど、「少し前まで増税と言っていたではないか」というような話も出ています。確かに「減税を打ち出してもあまり支持されない」というのは珍しい現象ですよね。 佐々木)その前にも「防衛費をGDP比2%まで増額させるので、国民負担をお願いします」などと言っていたので、整合性がない。また、10月の臨時国会の所信表明演説では「税収増分を国民に還元する」と言っていたのに、それを財務大臣が否定しましたよね。 飯田)増収分は既に使い切ったと。 佐々木)あの辺りで揺れ動いているところが、信頼感のなさにつながっているのではないでしょうか。 飯田)財務大臣の発言も、「派手に梯子を外すのだな」という印象を受けました。 佐々木)「政権内部で一体何が起きているのか」が気になるところです。