仲介役を殺人容疑で再逮捕 「殺害、処分を指示された」 栃木2遺体
栃木県那須町で4月、会社役員夫妻の焼損した遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の捜査本部は11日、死体損壊容疑で4月21日に逮捕した仲介役で建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=を夫妻への殺害容疑で再逮捕した。認否は明らかにしていない。 【写真】平山容疑者ら6人の関係 捜査本部によると、再逮捕容疑は4月15日深夜~16日未明にかけて、死体損壊容疑で逮捕された他の5人と共謀し、東京都品川区の空き家のガレージで宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)=東京都千代田区=の首を絞めるなどして殺害したというもの。捜査本部は今後、他の5人も順次、殺人容疑で再逮捕する方針だ。 ■車内に妻の血痕がついたハンマー 平山容疑者は4月上旬ごろ、指示役の佐々木光容疑者(28)に命じられ、事件に使われた車やガソリンなどを事前に準備していた。幸子さんは頭を殴られた傷もあり、平山容疑者の車からは幸子さんの血痕がついたハンマーが見つかった。 平山容疑者は佐々木容疑者から「殺害し、遺体を処分するよう指示された」とも供述。空き家で夫妻と接触した実行役2人に、「自分が依頼した」と説明していた。 平山容疑者は「佐々木容疑者から1千数百万円の報酬を受け取った」とも供述。実行役の男2人に「250万円ずつ渡した」と話しており、平山容疑者の関係先からは現金約700万円が見つかった。 捜査本部は、宝島さん夫妻と飲食店経営上のトラブルを抱えていた会社経営の関根誠端(せいは)容疑者(32)=東京都世田谷区=が事件を首謀し、平山容疑者は指示役と実行役をつなぐ仲介役として夫妻の殺害に関与し、報酬を受け取ったとみている。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)
朝日新聞社