「熱愛報道も…」杉咲花と若葉竜也が『アンメット』4度目の共演でみせた「火花散らす演技」のウラ側
女優・杉咲花主演の月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系)。放送が始まるとX(旧ツイッター)では、“#アンメット”が世界トレンド1位を獲得。さらに第1話放送後の1週間「無料見逃し配信」では、再生回数が200万回を突破して「TVer総合ランキング」でも最高1位を獲得するなど、春ドラマの“台風の目”となっている。 【写真あり】杉咲花 朝ドラ女優が「残暑のロケ現場」で見せた圧倒的存在感 このドラマは、かつて将来を嘱望された優秀な若手脳外科医・川内ミヤビ(杉咲)が1年半前に不慮の事故で脳に損傷を負い、過去2年間の記憶がすっぽり抜け落ちた上に、今日のことを明日にはすべて忘れてしまうという重い後遺症に悩まされる。そんなミヤビの前にアメリカ帰りの脳外科医で元婚約者の三瓶友治(若葉竜也)が現れる。 「元脳外科医の子鹿ゆずるさんが原作を手掛ける同名漫画のドラマ化。他局からもドラマ化のオファーがありましたが、いずれもアメリカ帰りの天才脳外科医・三瓶先生を主人公にした原作通りの企画ばかり。それに比べてこの企画は周囲の心配や反対を受けながら、新しい一歩を踏み出していくミヤビが主人公。 しかも、今は取り出せなくなっているミヤビの記憶の中に、病院を巡る大きな秘密が隠されている。こうしたミステリーの要素も魅力的。今作には“脳外科医が見るのは、患者の脳ではなく人生”と訴えかける原作に、勝るとも劣らない意欲作ではないでしょううか」(制作会社プロデューサー) このドラマの見どころは、なんといっても“4度目の共演”となる杉作と若葉のスリリングなやりとりではないか。2人の鬼気迫る演技が、第1話から火花を散らす。 「急患で運ばれて来た女優・赤嶺レナは、検査の結果、脳梗塞と判明。三瓶はミヤビにも手伝うように指示するが、看護師長の津幡(吉瀬美智子)に止められる。しかし『人手が足りないんだから、できることをやってもらわなきゃ困る』『川内先生は手術ができます』と言い放ち、院長の藤堂(安井順平)にも直談判。それでも『手術はできません』と謝るミヤビに三瓶が突きつけた言葉が、多くの視聴者の心を鷲掴みにしました」(制作会社ディレクター) それは強い風が吹く、病院の屋上での出来事。ベンチから立ち上がり 「あなたは障害のある人は、人生を諦めてただ生きていけばいいと思っているんですか?」 そう言い放つ三瓶を、乱れ髪のまま強く見つめる。去っていく三瓶。哀しみから、溢れる涙を止めることができないミヤビ。このシーンこそ、若葉の演技に杉咲の心が揺り動かされた名場面ではないか。 しかし杉咲が若葉の前で溢れる涙を止められなかったのは、今回が初めてではない。 「昨年12月に公開された杉咲主演の映画『市子』。この映画で杉咲が演じたのは、無戸籍児として生まれ、過酷な家庭環境で育ちながらも、“生き抜くこと”を諦めなかった市子。映画の冒頭で、3年間共に過ごした長谷川(若葉)からプロポーズを受け、市子が思わず涙が流すシーンは、シナリオにはなかった場面です。杉咲は『無戸籍児として生まれてきた市子だからこそ芽生える、張り裂けそうな思いから涙が止まらなくなった』と明かしています」(前出・ディレクター) 今作で杉咲は、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。思えば’20年朝ドラ『おちょやん』(NHK)、’23年『杉咲花の撮休』(WOWOW)、映画『市子』、そして今作が4度目の共演となった若葉竜也こそ、杉咲花の女優としてのリミッターを外すまさにキーパーソンなのかもしれない。 「ドラマにはあまり積極的ではない若葉が、プロデューサーに続いて杉咲からもオファーを受け出演することを決めたという今作。昨年の秋から、2人は全体の構成や脚本作りにも参加。映画に引けを取らない情熱を傾けて、この作品に挑みました。 杉咲と4度目の共演となる若葉は、『いつも台本以上のやりとりができるので常に新鮮』とした上で『単にセリフを言っているのではなく、本人の思考から生まれた言葉のように聞こえる』『誰にも見えないところで血の滲むような努力をしている。だから現場の士気も上がるし、自分の背筋も伸びる』と、杉咲への信頼を口にしています」(前出・プロデューサー) 映画『市子』では語らずに、目や佇まいだけで壮絶な人生を歩んできたことを感じさせる演技を披露した杉咲花。今作『アンメット』では、みずからこの役を演じることで、後遺症と闘う人や家族、医療関係者の心に希望の光を灯す。 5月27日に放送された第7話には、ミヤビと三瓶の二人が、川沿いの道を歩くシーンが登場する。立ち止まるミヤビが咲いたばかりのアヤメを愛でて、 「季節とか、街並みとか、変化するものをちゃんと感じられると、昨日と今日はつながってるんだなって嬉しくなります」 「三瓶先生、頼っていいですか」 そう呟くミヤビに嬉しそうに頷く、三瓶。 『女性セブン』によると二人の熱愛ぶりが発覚。杉咲花と若葉竜也は、今や公私ともに“欠かすことのできない”存在になっているようだ。ドラマはいよいよクライマックスに向けて、動き出した――。 文:島 右近(放送作家・映像プロデューサー) バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版
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