アンソニー・ウォンと難民の少年が灯す小さな光 『白日青春-生きてこそ-』予告編公開
2024年1月26日に公開されるアンソニー・ウォン主演映画『白日青春-生きてこそ-』の予告編と場面写真が公開された。 【写真】場面カット(10枚) 本作は、孤独なタクシー運転手が香港に住む難民の少年と心を通わす姿を描いたヒューマンドラマ。監督を務めたのは、マレーシア生まれで香港に移住し、本作が長編1作目となるラウ・コックルイ。自身の気持ちや経験も作品に活かしたというラウ・コックルイ監督は本作について、「父の愛を渇望する息子と、息子を理解しようともがく父親の物語」と話しており、世代や民族の違いを背景にした、香港ならではのシーンも取り入れたという。また、プロデューサーを『西遊記』シリーズのソイ・チェンが担当している。 香港は難民の国際中継地であり、毎年、数千人の難民がこの街で政府の承認を待っている。この長いプロセスには10年以上かかることもある。ハッサンはパキスタンから香港にやって来た両親の下に生まれ、香港で育ったが、自分の将来がここには絶対にないことを知っていた。彼の唯一の夢は、家族と共にカナダに移住すること。だが、突然の交通事故で父親が命を落としてしまい、彼の夢も打ち砕かれた。チャン・バクヤッ(陳白日)は1970年代に本土から香港に密入境し、現在はタクシー運転手として働いている。香港で警察官になった息子のチャン・ホン(陳康)とは、あまりうまくいっていない。父親を失ったハッサンは、難民で構成されたギャングに加わるしかなかったが、警察によるギャング対策に巻き込まれ、追われる身となってしまう。バクヤッはハッサンの逃亡を手伝うことを決心し、2人の間には絆が芽生え始める。しかしハッサンは、バクヤッが父親の死亡した事故を引き起こした運転手であることを知る。ハッサンとバクヤッの関係、そして逃避行の行方とは。 公開された予告編では、実の息子とうまく関係を築けなかったバクヤッ(アンソニー・ウォン)が、パキスタン人で難民の少年ハッサンとの心の交流を通じて、生きる意味を見出していく。登場人物のほとんどが、香港が祖国ではなく、生きる場所を探しもがいている人々。そんな中、心を通わせはじめるバクヤッとハッサンは、難民問題を抱える香港の片隅に生きる人々が灯す小さな光を観客に届ける。 あわせて公開された場面写真は10枚。世代や民族の違いを超え、実の親子では築けなかった絆が芽生え心通わすバクヤッとハッサンを切り取った場面や、バクヤッとハッサンそれぞれの家族との距離を感じさせるシーンが切り取られている。
リアルサウンド編集部