元官僚のサウナー町長がサウナで町を若返らせた 高齢化率46%の山形県西川町
まちを鼓動させ、地域を元気にしている話題の温浴施設からビジネスを学びます。舞台は、人口わずか4639人、高齢化率は47%に達する山形県西川町。 過疎化が進むこの小さな町に生まれたサウナが、町外の人たちをも巻き込んで新しいムーヴメントを起こそうとしています。 2022年に霞が関の公務員からふるさとのリーダーに転身した若き町長・菅野大志さんに、サウナを活用した地域おこしのリアルと、人口減少と高齢化に直面する地域が取るべき行動について聞きました。
【西川町町長 菅野大志 DAISHI KANNO】 1978年、山形県西川町生まれ。 早稲田大学卒業後、財務省東北財務局へ入局。 2006年、金融庁監督局銀行第一課。 2008年、財務省東北財務局金融監督第一課。 2018年、金融庁総合政策局地域課題解決支援チーム。 2019年、金融庁監督局総務課地域課題解決支援室。 2021年、内閣官房まちひとしごと創生本部事務局。 2022年、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局。 2022年4月、山形県西川町町長に就任
真夏でもキリッと冷えた月山の雪解け水を水風呂に
日本百名山にも数えられ、古くから信仰の対象になってきた名峰・月山(がっさん)。万年雪を頂く優美な姿は松尾芭蕉が俳句に詠んだことでも知られます。 この月山から一年じゅう流れ出る豊富な雪解け水を水風呂に使ったサウナが、山形県西川町の水沢温泉館に23年4月にオープンしました。 西川町は人口わずか4639人(2024年2月1日現在)、高齢化率は46%を超える過疎の町であるにもかかわらず、この特別な水風呂とサウナを求めて多くの若者が近隣の市町村から足を運びます。 このサウナのプロジェクトを指揮したのは、22年春に就任したばかりの西川町長、菅野大志さんです。 菅野「月山の雪解け水は年間を通して9~13度と冷たく、電気で冷やした水道水の水風呂とはまったく違う清涼感を味わえるのが自慢です。 西山杉という地元産の杉を使ったアロマを楽しめるセルフロウリュと、満天の星空を望める外気浴スペースで、ここだけの“ととのう”体験ができます」