琴桜、祖父から継承したしこ名を浸透すべく活躍誓う「自分で名を上げていかなきゃいけない」…稽古再開
大相撲の大関・琴桜(佐渡ケ嶽)が3日、千葉・松戸市の部屋で名古屋場所(7月14日初日・ドルフィンズアリーナ)に向け稽古を再開した。幕下以下の力士への胸出しや、ぶつかり稽古をするなどして汗を流した。 祖父で元横綱の先代師匠からしこ名を受け継いだ夏場所は11勝4敗で、初賜杯には届かず。大の里に初土俵から7場所目での最速初優勝を許す結果となり、改名場所に花を添えることはできなかった。「常に優勝を目指してやっていますから、もったいない。11番勝ったとはいえ、納得する結果とは思っていないです」と振り返った。 新大関だった春場所は10勝、今場所は11勝と大関として一定の成績を残しているとも言える。ただ目標は祖父と同じ横綱だけに「大関取りだったらいいかもしれないですけどね。上(横綱)を目指していく上ではまた違いますし」と全く満足はしていない。「また出直しの気持ちぐらいで、しっかり鍛えあげていって、来場所に向けてやっていくしかないですから」と先を見据えた。 夏場所は改名場所ということで、新大関場所に続いて大きな注目を浴びた。「自分では意識はないですけど、初日は硬かったと言われますけどね」と苦笑い。ただ「言い訳にならないですし、そこに影響されるかといったら、そこは自分次第。自分自身がやるべきことをやるだけです」とも語った。 目指すは「琴桜」のしこ名を“初代”から“2代目”のものに浸透させていくこと。父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)の現役時代のしこ名を、新十両だった2019年名古屋場所から今年の春場所まで名乗っていた。5年近く「琴ノ若」として過ごしてきただけに「琴ノ若と聞いて自分を想像してくれる人も増えているんじゃないかなと思います」と自己分析する。「たまに自分でも(琴ノ若と)間違えますから」と笑わせつつ、「そういう意味では、少しでも自分の名前にできて、師匠に恩返しできたと思います」と、ある程度の手応えを感じている。 今度は「琴桜」のイメージを“猛牛”の異名を取った先代から、自分のものに変えていくことを目指す。もちろん「先代の時代に見ていた方々が思い出して下さるのも大事」と祖父への尊敬心は欠かさない。一方で「この名前をまた自分のものにして、琴桜は自分だと思ってもらいたいです。先代関係なく、自分自身で名を上げていかなきゃいけない」と気合を入れた。そのためには土俵で活躍することが必要。名古屋で初賜杯を目指すべく、鍛錬を重ねていく。
報知新聞社