【阪神】左の大砲がプロ初のサヨナラ安打「野手がなかなか打てていないので」
◆JERAセ・リーグ 阪神2×―1巨人=延長10回=(18日・甲子園) 苦しい攻撃陣が最後に意地を見せた。10回無死満塁。阪神・佐藤輝が大勢との力比べを制した。オール直球の6球目。「もう、真っすぐ勝負。振り負けないように」と、155キロを右前へはじき返した。今季初のサヨナラ。飛び跳ねてウォーターシャワーを浴びた大砲は「野手がなかなか打てていないので」と、興奮を抑えた。 昨年8月12日のヤクルト戦(京セラD)で犠飛はあったが、サヨナラ安打は自身初。歓喜の一方で「チャンスで凡退もあった」と恐縮した。1分けを挟み、今季初の3連勝。3カードぶりの勝ち越しで9日以来の勝率5割に戻したが、10試合連続2得点以下は1959、2012年以来、3度目の球団ワーストタイとなった。打率1割9分4厘の佐藤輝も初回2死一、二塁で空振り三振。菅野には3三振を喫した。 打率1割5分9厘でリーグ最下位の大山は、開幕から18試合、72打席本塁打なしは自己ワーストを更新中。岡田監督は「2ケタ安打がうれしい」と、11試合ぶりの数字に一息つくと「いや、こんなんで喜んでたらアカン。まあ、うれしい」と、複雑な言葉を並べた。2得点以下での4勝4敗2分けは投手力。8回1失点の西勇に白星を付けられず「なんとか早いうちに点を取って」と尻をたたいた。 それでも「ちょっと吹っ切れたかも、打線も」と指揮官。佐藤輝も「きっかけに」と誓った。19日の中日戦(甲子園)は10年に47本塁打を放ったOBのブラゼル氏が始球式。「見てましたねえ。弟はユニホームも持っています」と、兄弟で憧れた選手だ。大学時代は同氏が阪神でつけた背番号67の練習着で豪快弾を連発。同じ左の大砲として、目の前で快音を響かせたい。(安藤 理)
報知新聞社