京都大学が「女性枠」を新設へ…各地で広がる女性募集枠の導入、性別で入試を分ける理由とは
高いレベルの学力等を維持することも必要
冒頭で触れた「多様性」という言い回し。昨今、さまざまな機会に使用することが多くなっていると感じる。京大も「多様性」との言葉を用い、教育機関として定員の性差をできるだけ少なくしたいと考えているようだ。 ただ、京大は女子大ではなく男女共学だ。筆者は「女子枠」を設けるのではなく、入試は学力等で判定されるものだと考える。性別によって「特色入試」の一部の受験機会が奪われるのは避けなければならないだろう。22年に発覚した東京医科大学等医学部での女性差別入試事件では、性別や年齢等による「差別入試」が横行していた。発覚後の対策では、名前や性別等を伏せて採点するなどした。 多様な人材を選ぶのと同時に、大学として高いレベルの学力等を維持することも必要だ。「多様性」を前面に出すのは分かるが、京大は教育機関であり、純粋な学力等で学生を選ぶべきではないだろうか。「女子枠」の再考を強く求め、本稿を締めることにしたい。
小林 英介