知床沖で小型観光船の訓練 初運航を前に救助支援システム試す
知床小型観光船協議会は26日、相互海難救助サービスを運営する「よびもり」と共同訓練を実施した。28日には、今季の小型観光船の運航が始まる。訓練では、さらなる安全を求めて、新たに導入するシステムを試した。 【写真】「よびもり」の発信器。ひもを首にかけて使う 位置情報を発信する端末「よびもり」は、漁業関係者を中心に利用が進んでいる。誤って海に転落した際、身につけた防水仕様の発信器のボタンを長押しすると、事前に登録している仲間の漁師のスマートフォンに位置情報と救助要請が届く仕組み。近くで操業している漁師がすぐに救助に向かうことができ、救助時間の大幅な短縮が期待されている。 訓練は、実際に船を出して実施した。参加した漁船が、斜里町のウトロ漁港沖約1キロの海上に転落者に見立てたブイを投下。発信器のボタンを押すと、事前にアプリをダウンロードした参加者のスマートフォンが一斉に警報音を発した。 「!重大 事故情報 緊急 要救助者さんが事故に遭った可能性があります。至急安否を確認してください」 スマホの画面にメッセージが表示され、発信者の位置情報が反映された地図が立ち上がった。発信者との位置関係や経過時間、救助に向かう意思表示をした登録者と人数などが表示される。
朝日新聞社