「西山事件」記者逮捕は想定外 故横路氏、沖縄密約の公電暴露で
衆院は29日、故横路孝弘元議長の口述記録をHPで公開した。1972年3月の衆院予算委員会で沖縄返還の日米密約に関する外務省の極秘公電を暴露後、毎日新聞記者だった故西山太吉氏が逮捕された「西山事件」に関し「もうびっくり仰天ですよ。考えもしなかった話だ」と述べ、記者逮捕は想定外だったとの認識を示した。 西山氏は71年6月、米軍用地の原状回復補償費を日本が肩代わりするとの密約を示唆する記事を毎日新聞に掲載。口述記録によると、横路氏は西山氏に面会したが報道の根拠は示されなかった。 横路氏は、公電の提供者は西山氏以外の第三者だとした上で、西山氏の同僚記者かと問われ「ノーコメント。私もよく知っている友達です」と述べるにとどめた。予算委での質問直前に電話を受け「別に何の条件もなしに、ともかく使ってくださいと言って渡された」とした。 西山氏は72年4月、外務省の女性職員と共に国家公務員法違反容疑で逮捕された。「新聞記者が弾圧の対象となるとは誰も考えなかった。大変残念に思っている」などと振り返った。