“深谷ダービー”はPK決着 正智深谷、東京成徳大深谷を下し2年ぶりV
4月29日、令和6年関東高校サッカー大会埼玉予選決勝が浦和駒場スタジアムで行われ、東京成徳大深谷と対戦した正智深谷が2-2でPK戦の末に勝利し2年ぶり8回目の優勝を果たした。優勝した正智深谷が第1代表、準優勝の東京成徳大深谷が第2代表として5月25日から千葉県内で開催される本大会に埼玉県代表として出場する。 【フォトギャラリー】正智深谷 vs 東京成徳大深谷 埼玉のすべての公式戦を通じて初となった“深谷ダービー”による決勝戦は戦前の予想通り死闘が繰り広げられた。 最初のチャンスは東京成徳大深谷。3分、得意のCKを獲得するとMF8稲積俊音(3年)のキックをDF2増田蹴人(3年)が合わせるも惜しくもゴール上に。対する正智深谷は相手を左右に揺さぶりながらワイドに攻撃を展開すると7分、右から左へ展開し低いクロスを上げるが、ここは東京成徳大深谷GK1緑川徠雅(3年)が判断良く飛びだしキャッチ。29分、東京成徳大深谷はMF9西村優悟のパスに抜け出したMF14川上稜介(2年)がGKと1対1になるも、今度は正智深谷GK1森穂貴(3年)がセーブし、ゴールを許さない。 試合が動いたのは37分、MF10近藤七音(3年)のスルーパスを受けたMF18栗原エイト(3年)が左足でゴールネットを揺らし、正智深谷が先制。正智深谷が1点をリードし試合を折り返した。 後半に入ると東京成徳大深谷が主導権を握る。中盤でのボール奪取から素早く攻撃を繰り返し、ロングスローやFK、CKからチャンスを創出。11分にはFKからゴール前で大混戦になるも正智深谷DF陣が体を張ってゴールを死守。68分、東京成徳大深谷はロングスローを跳ね返されるも、そのボールに稲積が反応しシュート。そのボールがDFに当たり、こぼれたところをMF10福島雪翔(3年)が押し込み同点に追いついた。 この勢いで逆転を狙う東京成徳大深谷は、78、79分と立て続けに決定機を作るが、決め切ることができず、試合は1-1のまま延長戦へ。 延長に入り、まずは東京成徳大深谷が仕掛けると、CKに合わせたヘディングシュートがゴールバーを直撃。対する正智深谷はゴール正面でFKを獲得するが、壁に阻まれゴールならず。両者が延長でも激しい戦いを繰り広げる中、延長前半終了間際に再び試合が動く。正智深谷は福島の左からの低いクロスに反応したMF8吉田匠吾(3年)が右足で合わせて2-1と勝ち越した。 しかし諦めない東京成徳大深谷は2分後、途中出場のFW11大森壮馬(3年)がゴールを決めて同点にしてみせる。延長後半はスコアが動かず、決着をPK戦に持ち越した。 PK戦では先攻の正智深谷が全員決めると、東京成徳大深谷は2人が外し決着。4-1でPK戦を制した正智深谷が史上初の埼玉県決勝での“深谷ダービー”に競り勝ち、見事に優勝を果たした。 (文・写真=古部亮)