産業関係者、見学の児童生徒でにぎわう会場

　長野県内最大級の工業展示会「諏訪圏工業メッセ2024」が17日、岡谷市の市民総合体育館とテクノプラザおかやの2会場で始まった。県内外から359社・団体が出展し、顧客の獲得を目指して固有の技術力や製品、サービスをアピールしている。児童、学生の来場も多く、産業関係者と入り交じって出展者との熱心なやりとりが各所で見られ、ものづくりへの情熱が集積した場内は活気にあふれている。19日まで。入場無料。 　岡谷市内での開催は2回目。出展数は前回より19件増え、展示エリアをアリーナ客席まで広げて展開した。 　開会式でメッセ実行委員長の小林睦巳岡谷商工会議所会頭は、規模の充実を喜びつつ、「経済、政治の激変で経営のかじ取りは大変厳しい局面にあるが、何としても乗り越えて成長しなくては。新しい社会に新しい創造をしていくために、当メッセがお役に立つことを期待している」とあいさつ。早出一真岡谷市長も「販路拡大とともに出展者と来場者の交流やネットワークの構築、情報やアイデアの共有、企業課題の解決などさらなる成長につなげて」と来場を歓迎した。 　今回は「未来志向企業の創造」をテーマに掲げ、地元企業が開発から完成まで一貫して手掛けた製品の実演コーナーを新設。諏訪市内の部品メーカーが製作し、市場人気もつかんだゴルフスイング練習器具を紹介した。 　開場早々から入場者で混み合い、出展各社は幅広い年齢層を意識して見せ方に工夫を凝らし、映像や光の演出、実機などを駆使して興味を引き付けた。出展企業の一つ、金属切削加工業の牛越製作所（岡谷市）は、近年導入した同時5軸加工機での高精度な切削技術を、金属塊から作った国宝の土偶「縄文のビーナス」で見せ、子どもにも分かりやすい解説を添えた。同社営業課の山田充晴さんは「皆、足を止めて注目してくれる。難加工も対応できるようになった精密な技術力を売り込みたい」と意気込んでいた。 　18日の開場時間は午前9時～午後5時。終日、出展企業・団体によるセミナーも催すほか、午後6時からは記念講演会を近接の諏訪湖環境研究センターで開く。19日には子ども向けの「家族ものづくり体験コーナー」（午前10時～午後3時、テクノプラザおかや）もある。