交流戦最下位の阪神が抱えるもう一つの異変…2軍落ち大山の“代役”務める近本を苦しめる“4番病”
配球を読むことに長けて、ほとんどボール球を振ることのない近本がボール球に手を出す場面が目立ち、しかも引っ張り一辺倒。タイミングが取れていなかった。第1打席はカウント1-1から内が投じたワンバウンドとなるスプリットに空振りし、最後も外角低めの難しいスプリットを引っ掛けた。 第2打席も追い込まれてからインハイのストレートを引っ張って一塁ゴロに終わったが、おそらく見送ればボールの釣り球だった。外野フライか、内野ゴロで、1点を奪えた第3打席でも、2-2から外角低めのスプリットを第1打席と同じように引っ掛けた。 現役時代に打撃タイトルの獲得経験がある某評論家は、「4番という打順を意識してしまっているのかもしれない。明らかにバッティングが大きくなっている。なんとかしなければという力みも見える。同じ得点圏で、打席が回ってきても1番で迎えるときと4番で迎えるときでは、プレッシャーと責任感が違ってくる。自分でチェックポイントを何か所も持っていて修正能力の高い近本だが、そういう予期せぬ外的要因で本来の打撃が狂ってしまっているのかも。ホームラン打者ではない選手がホームランを打ってしまったことでバッティングが微妙に狂ってしまう状況に似ている」と指摘した。 交流戦のチーム打率が.206しかなく、主力3人が2軍調整を余儀なくされている打線の中で、唯一安定した成績を残している近本までが、“4番病”に侵され、打撃の調子を落としてしまうのは最悪の事態だろう。 だが、一方で不調だった中野が猛打賞をマーク。前川が存在感を示すなど打線復活へのきっかけとなる光明がないことはない。 ただ打線のメンバーが揃うまで投手陣の踏ん張りでゲームを作るしかないだろう。今日6日の楽天戦では3連投となる岩崎は使えない。ゲラの不在に岩崎の不安定な投球内容を考えると大胆な配置転換も必要になってくるのかもしれない。ブルペンで現在最も安定感のある石井、桐敷の2人をどこに配置するかが重要なポイント。選手の能力を見抜く卓越した野球脳を持つ岡田監督はどんな方程式でこの危機を乗り越えようと考えているのか。今日の先発は西勇。同一カードの3連敗だけは避けなければならない。 (文責・RONSPO編集部)
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