シリーズ唯一のフックフェース。球をしっかりつかまえて飛ばすキャロウェイ 『パラダイム Aiスモーク MAX FASTドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
国内外問わずツアーで話題のキャロウェイ「パラダイム Aiスモーク」シリーズ。今回は 『MAX FAST』ドライバーを紹介します。兄弟モデルには『MAX』、『♦♦♦』など複数種ラインナップされていますが、その中でもヘッド形状が瓜二つの『MAX D』と比較しながら『MAX FAST』を分析。見た目からは判別をつけることが難しいドライバーですが、ヘッドデータを分析したクラブ設計家の松尾好員氏は「Aiスモークシリーズで一番つかまりを意識した設計になっている」と言います。『MAX D』とは似て非なる『MAX FAST』の性能を紐解きました。
見た目は一緒!中身は別物!!
GD 今回は『パラダイム Aiスモーク MAX FAST』ドライバーを『MAX D』ドライバーと比較しながら分析していただきます。アドレスをした時の顔つきがそっくりな2本ですがヘッドデータから両者の違いが見えましたか? 松尾 はい。「ヘッド重量」、「クラブ重量」、「クラブ長さ」、「フェース角」の4つを分析すると『MAX FAST』の性能が分かりました。
GD さっそくヘッド重量からよろしくお願いします。 松尾 『MAX D』は199.5グラムと「やや重め」に設計されているのですが、『MAX FAST』は188.5グラムと「非常に軽く」なっています。2つを比較すると11グラムほど差があることになります。 GD なるほど。しかしヘッド重量が軽いとボールの初速が落ちてしまうのではないでしょうか? 松尾 そうですね。ここで関係してくるのがクラブ長さになります。『MAX D』の45.0インチに対して『MAX FAST』が45.38インチと長く設定されています。つまり長いクラブにすることで遠心力を利用してヘッドスピードを上げることを狙った設定になっていると思います。 GD ヘッド重量を軽くした分、長くすることで飛距離性能のバランスをとっているんですね。この2つはクラブ重量にも影響が出ているんでしょうか? 松尾 はい。『MAX D』の302.7グラムは「標準的」な重さですが、それに対して『MAX FAST』は278.0グラムと「非常に軽く」なっています。加えてスウィングのしやすさを表すクラブ慣性モーメントが『MAX D』が289万g・㎠、『MAX FAST』が281万g・㎠となっています。 GD 『MAX FAST』のほうが『MAX D』よりも軽く、振りやすいクラブになっているんですね。フェース角はいかがでしょうか? 松尾 『MAX D』が0.5度オープンで、『MAX FAST』が0.5度フックとなっているところから、『MAX FAST』はつかまり顔の設計と言えます。さらに他の「Aiスモークシリーズ」がオープンフェース設定にされている点から見ても、シリーズの中で唯一のフックフェースになります。 GD 『パラダイム Aiスモーク MAX FAST』ドライバーはどんなゴルファーにオススメですか? 松尾 クラブの長さが長めの設定ですが全体的に非常に軽い重量で気にならずにとても振りやすいです。クラブの慣性モーメントから見てもヘッドスピードが39m/sあたりのゴルファーが使えるドライバーです。加えてフックフェース設計を踏まえると軽く振り抜いて球をつかまえたい方にオススメです。
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