10月に「大阪文化芸術フェス」NMB48メンバーら意気込み
10月に「大阪文化芸術フェス」NMB48メンバーら意気込み 撮影:岡村雅之
落語、浪曲、漫才からOSK、NMB48、小劇場演劇まで、多彩なジャンルのアーティストが一堂に集まる珍しいシーンが実現した。舞台は10月に開催される本格的な文化祭「大阪文化芸術フェス」開催発表会見場で、キーワードはコラボだ。 【動画と拡大写真】人形遣いが楽しく語る文楽の魅力と思い 文楽劇場へ潜入
大阪のおもてなしを全身で感じてほしい
会見場のひな壇にはジャンルを超えて多彩なアーティストが集結。もっとも若手に当たるNMB48の内木志さん、城恵理子さんが緊張した面持ちで「私たちの活動が大阪の文化芸術として認められ、歴史ある伝統芸術の人たちとご一緒できることを誇りに思います」「あまり知らなかった歌舞伎や文楽と出合えるのがうれしい」と話した。大阪・ナンバを拠点にアイドルとして活動する若手のやや背伸びをした抱負が、新しい文化フェスの独自性を物語る。 松井一郎知事は「大阪のすべての文化を、内外から大阪を訪れる皆さんにお届けしたい。私は文化にあまり熱心ではないなどと言われてきたが、いつか悪い評判をひっくり返そうと思っていた」とあいさつ。隣にいた落語家の桂文枝さんが「それを待ってました」とエールを送ると、知事は「世界中の人たちに大阪のおもてなし、ホスピタリティを全身で感じてほしい」と意気込んだ。 文枝さんは新作落語と能のコラボレーションに挑む。「各ジャンルの優秀な人たちとともに活動できることが楽しみだ。みんなでコラボをすれば、ひとつの分野だけでは退屈に感じても、いろいろ観てもらうと分かりやすいのではないか」と話し、「今回私は能とコラボするが、できればOSKと共演したい」と笑いを誘った。
伝統文化からポップカルチャーまで分厚い布陣
お笑いは大阪が誇るキラーコンテンツだが、大阪の文化芸術のすそ野は広い。伝統文化からポップカルチャーまで、分厚い布陣で一通りそろっているのも、大阪の持ち味だろう。大阪府、市と経済団体などで大阪文化フェスティバル実行委員会を設立。10月を大阪文化芸術フェス月間と位置付け、府内各地で多様なプログラムを連続展開する。 落語、漫才、浪曲、歌舞伎、能勢浄瑠璃、小劇場演劇、クラシック音楽、OSK日本歌劇団、ゲーム音楽のビッグバンドライブ、ハロウィンパーティ、レーシングカーのデモ走行、フードフェスなど、プログラムはバリエーションに富む。プロミュージシャンと学生によるコラボライブも話題を呼びそうだ。 概要発表後に囲み取材に応じた松井知事と文枝さんが文化発信で盛り上がり、知事が文枝さんに「大阪いらっしゃい大使」の就任を要請。文枝さんは「いらっしゃいは英語でウエルカム。大阪ウエルカム・アンバサダーですな」と応じて、漫才顔負けの間合い、掛け合いで大使就任が内定した。 大阪の文化芸術のベースは、人と人がつながるコラボレーションかもしれない。フェス期間中、大阪文化の間口の広さ、奥行きの深さを体験できそうだ。詳しくは大阪府の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)