《高層タワマン建築で盗撮、落下物…小学校への危険性を指摘する声》渋谷区が問題視される再開発事業について回答 区民による訴訟に「適切に対応していく」
──風害の危険性は? 「事業者からは風環境シミュレーションを実施した上で、防風植栽を施すなどの対策が取られることで低中層市街地相当の風速となると聞いていますが、区としても良好な風環境形成に向けて必要な申し入れを行ってまいります。 また、新築工事後に風環境の事後調査を現地にて1年間実施し、事前シミュレーションの効果が適切に発揮されていない場合は、追加の対策工事等を実施すると確認しています」 ──「区道を廃道にすることで、大型車両が現場近くまで入れなくなるのではないか」と危惧する声もある。 「北側については、幅員4m以上の緊急車両等の通行できる通路が確保されており、公園通り側から庁舎側への進入が可能となっております。今回、市街地再開発事業を通じて廃道する区道の一部を、緊急啓開道路である区道第974号路線に付け替えて道路拡幅し、災害時の緊急車両の動線確保など防災面での向上を図る計画としています」
「周辺環境」に配慮した計画に見直し
──区民からの不安の声を受けて、東急不動産や清水建設に提案・指導などは行っているのか? 「都市計画に係る意見交換会等でいただいたご意見等については、十分な対策をとるよう申し入れを行っており、市街地再開発準備組合側も真摯に受け止め、再開発棟高さの約9m低減、外形コンパクト化、配置変更など周辺環境へ配慮した建築計画に見直されております」 ──区道の廃道を止めようと区民たちが提起した訴訟に、どのように取り組んでいく方針か? 「訴訟については、適切に対応していきます」 なお、東急不動産と清水建設からは以下のような回答だった。 「渋谷区役所周辺の再開発事業に関しまして当社からお答えすることはございません」(東急不動産) 「弊社は本件につきましてお答えする立場にはございません」(清水建設) 区道廃道の差止めを求める訴訟の第1回口頭弁論は、2025年1月17日より予定されている。もつれにもつれる再開発事業の行方は──。 (了。前編から読む)