全国の百貨店のみ込む荒波、山形屋もか…襲った“五重苦”、コロナ禍で十八番の物産展も中止 八方ふさがりの中、一筋の光が差す
〈連載「荒波百貨店~山形屋 私的整理へ」㊤から〉 ◇百貨店の閉店、全国で相次ぐ 郊外への大型商業施設の出店やインターネットの普及に伴うeコマース(電子商取引)市場の拡大で、全国的に百貨店離れが加速している。市街地に立地し、衣食住の幅広い商品をそろえる店舗の閉店が相次ぎ、百貨店がない県も増えている。 2024年1月には、島根県唯一の地場百貨店だった一畑百貨店が閉店。大規模ショッピングモールやインターネット通販の台頭に加え、新型コロナウイルス禍の外出控えで苦戦していたという。 鹿児島県では09年5月、消費不振や競争激化による業績低迷を受け、三越鹿児島店が閉店。前身の「丸屋デパート」を運営し、土地・建物の一部を所有していた丸屋本社(鹿児島市)が約1年後にマルヤガーデンズを開業した。 東京商工リサーチによると、百貨店が存在しない「空白県」は、山形県と徳島県、島根県の3県。既に1店舗しかない「空白県予備軍」は16県に上る。岐阜県唯一の百貨店、岐阜高島屋も7月末の閉店を明らかにしている。
南日本新聞 | 鹿児島