マレーシアに「あずきバー」投入の井村屋が海外に抱く野望
四季報オンライン
アイスクリームの「あずきバー」で知られる井村屋グループ(2209)は、1896年に和菓子製造で創業し、125年を超える歴史を持つ三重県の老舗企業だ。2021年にはマレーシアであずきバーの生産を始めた。これまでもあずきバーを海外に輸出してきたが、現地での生産は初めてだ。国内でも日本酒事業に進出し、新市場の開拓を強化している。 あずきバーは、和菓子で培った強みを生かそうと1973年に生まれたもので、2022年3月期は過去最高の年間3億本の販売が見込まれるグループの大黒柱(2021年3月期のあずきバーを含む「冷菓」の売上高比率は約30%)。もう一つの柱である肉まん・あんまんなどの点心(「点心・デリ」は同約20%)は、アイスの流通経路を冬場にも生かすために生まれ、店頭の蒸し器であたたまった状態の商品を食べられることがヒットにつながった。これまでも、商機を巧みにつかむ発想で市場を切り開いてきた実績がある。 現在では、アイスや点心以外に、和菓子はもちろん、パン、飲料水、ゼリー飲料やレトルト食品の生産受託、業務用の調味料製造といった事業も手がけている。 マレーシアでのあずきバー投入や日本酒事業の勝算をどうみているのか。ロングセラー商品を生んできた社風は、どう醸成されてきたのか。井村屋グループの浅田剛夫会長と、新規事業の企画を担う子会社である井村屋スタートアッププランニングの大西安樹社長に話を聞いた。
本文:5,148文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
田野 真由佳