「公約は実現するためのもの」愛知・岡崎市の内田前市長が返り咲き 実現しなかった公約が勝負の決め手か
メ~テレ(名古屋テレビ)
6日投開票のあった愛知県岡崎市の市長選。焦点の一つが、実現しなかった4年前の公約「市民一人5万円還元」の評価でした。 6日投開票があった愛知県の岡崎市長選。前の市長・内田康宏さん(71)が6万8千票あまりを集めて当選しました。 選挙戦を戦ったのは内田さんのほか、いずれも無所属の現職、中根康浩さんと新人2人です。 内田さんが、今回の選挙戦で力を込めて訴えたのはーー 「今から4年前、3回目の市長選挙に立候補いたしました。しかし当時、私の力不足そして現市長が達成しなかった『5万円を差し上げる』という戦略の前に敗れてしまいました」(内田さん) 選挙戦の争点の一つにあげたのが、4年前の公約です。現職の中根さんは4年前の市長選で「1人5万円還元」を公約に掲げました。 約38万人の市民に5万円を配るという政策でしたが実現には、約195億円が必要でした。 公園や文化施設の整備に充てる基金を廃止するなどして財源を確保しようとしましたが、市議会の理解を得られず財源確保に失敗。公約に掲げた「5万円還元」は実現しませんでした。
かつての公約が勝敗を分けたか…
そして迎えた今回の選挙戦-- 内田さんは、前回落選するまで市長を2期務めた実績を訴えたほか、中根さんが5万円還元の公約を実現できなかったことを批判。 中根さんを約8200票差で破って、4年ぶりに市長に返り咲くことになりました。 「公約とは、もちろん実現するためのもの。4年経ったので忘れてしまったという人もいるが、前回の中根氏の公約を信じて投票した人はいまだにしっかり覚えている人が多い」(内田さん) 一方、敗れた中根さんは、実現できなかった5万円還元の公約についてーー 「公約は目指すべきもの。実現できなかったということであって、守れなかったと言われると心外。公約をかかげて当選した市長が提案したものに対して、どんな理由あっても尊重されて議会も同意すべきものになってしまうので、実現しないといけないものしか公約できなくなる」(中根さん)