「コスプレ聖地化計画」着々と進行中? 千葉県松戸市、愛好家集う「21世紀の森と広場」
どこか郷愁を誘う里山の光景の中を幾筋もの小川が流れ、のびやかに雑木林や野池が広がる。茶屋や積み藁、さらに森の奥へと進めば縄文時代の竪穴式住居(レプリカ)にも出合える千葉県松戸市の「21世紀の森と広場」。東京ドーム11個分、5.5haの広大なスペースでは家族連れやカップル、老若男女を問わず多くの人たちが思い思いに散策やジョギングを楽しむ。そうした情景にすっかりなじんでいるのが、『忍たま乱太郎』や『テニスの王子様』など人気アニメの登場人物に扮したコスプレイヤーたちだ。毎月のように開かれる撮影会には県外からもマニアが訪れ、多い日は100人を超えたこともある。
同公園にコスプレイヤーが集まりはじめたのは2010年ころから。アーチ状の橋脚やツタの張ったレンガ壁など「アニメの世界観を表現できる背景がいっぱい」とクチコミやネットを通じて評判が広まった。人気アニメ『弱虫ペダル』の新開隼人・悠人兄弟と青八木一に扮した「エヌ・ピー&ワイ」さん3人はSNSを通じて知り合い、実は今日が初対面。「とっても広くて、いろいろなシチュエーションで撮影できますね。自転車を持ち込めないのが残念(笑)。お弁当やおやつを買い込んで、ピクニック気分で楽しんでます」。乙女ゲーム*『金色のコルダ3』の世界を演じるのは、さいたま市の「やしろ」さんと「さつき」さんだ。レフ板も使ってなかなかの本格派。「緑が多いので、田舎の学校を舞台にしたストーリーにはベストポイントかも(笑)」。ここでの撮影は5回目だそう。
公園最寄りの八柱駅前商店街も「若者文化で街を盛り上げよう」とコスプレイヤーを応援している。昨年11月には撮影会を主催するイベント企画集団「えざき舎」とともに「コスプレ撮影ができるスタジオ」をオープンさせた。松戸市も制作に協力した「コスプレにやさしい街八柱」のポスターのコピーは、「週末の私は、変身する――」。コスプレ姿の女の子と並んで描かれた女子高生の制服が、市立松戸高校と同じデザインなのも洒落ている。