清水盛三、インタビュー連載!!『バス釣り上達100のヒント』CH.2・後編「厳冬期は五感を研ぎ澄ませよう!」
バスの視点で物事を考えてみると、アプローチも変わる。
――あらためまして、厳冬からプリ前の微妙な時期の釣り方を教えて下さい。 清水「もちろんフィールドにもよるから、そこは各自でアレンジして欲しいねんけど、基本はディープを狙うスタンスでいい。春を意識し始める最初の時期ということもあって、割合としては9:1くらいでシャローを意識してみる。ひょっとしたら、付いている個体もいるかもしれん…くらいの感覚でいい。シャローへのコンタクトスポット的な、シャローに隣接した深場でカバーがあるスポットとかね。 池の鯉とか見たらわかるけど、真冬の朝とかは、その池の一番深いボトムにビッタビタに、数匹寄り添うようにくっついてる。でね、太陽が傾き始める夕方前とか、午後のある一時だけ、餌を食いたいんやろうね…フワーって浮いてきたりする。多少の太陽光で水温が上昇して温まってきて、という基本要因は何気に大事。これは別に池の鯉だけに限ったことではなくて、自然界のフィールドでもその事象は起きてると思うから。実際にその時間帯だけ釣れるときがあるからね」 ――いわゆる、プライムタイムとかゴールデンタイムとかって言われる時間帯のことですね。 清水「そう。ちなみに僕とアイク(編注:マイケル・アイコネリ、元BASSマスター・エリート・ツアープロ)は“マジックアワー”って呼んでたけどね(笑)。その時間帯までは、ボトム付近をゆっくり狙っていくのがいい。メタルジグやフットボールジグ系での小さなリアクションの釣りかライトリグのスローな釣り。どちらの釣りも、派手なアクションではなくて控えめでね。 小さなリアクションというのは、言葉で表現するのは難しいねんけど、、、メタル系でいくと、パンパン跳ねさせるのではない。『ジャッ』じゃなくて『ピョッ』のイメージ(笑)。15cm前後くらいのホッピングアクション。ストロークとしては【ピョッ、ピョッ(4~5秒ほど待つ)ピョッ、ピョッ(待つ)】の繰り返しかな。ジグも然りで【トン、トン(待つ)トン、トン(待つ)】のアクション。ちょっとしたホップで十分。ジグの場合の“間”は、トンと着底してからスカートのフレアがふわりと揺らぎ終わるまでやね。どちらも、動かしすぎるとダメ。バスはハイシーズンみたいに追っかけて食いにいかへんからね」 ――厳冬期はアプローチ方法も繊細ですね。 清水「この時期のバスは自分で口を使える範囲内でしか反応しないから気を付けないと。ライトリグは、ズル引きでもシェイクでも、途中どこかで何回かポーズを入れるようにするといい。何せ低活性の時間帯でのアプローチやから、そこは魚の状態にこちらも合わせていかないと。狙う場所に関しては、もし同じ深度だった場合は、なだらかなフラットエリアよりも足元からストンと落ちたりしていたりする、多少の変化があるエリアのほうが釣れる確率は上がると思う。障害物や壁など、寄り添える場所があるかないか、やね。霞ヶ浦系の護岸なら、足元から狙って、折り返しはチョイ沖深めのショルダーからブレイクにかけてを狙う、、、といった具合かな」 ――なるほど。 清水「午前中はそうやって攻めていきながら、昼過ぎから夕方までの時間帯は、ある程度時間を区切って、さっき言った春寄りのルアーを巻いてみる。できればローギアリールでスロー気味にね。ワンチャン、春を待ち切れないバスからの大きな一発があるかもしれない…と、期待を抱きつつ、釣れない前提でもエエから、意識するのは産卵場所に近いシャローブレイクのエッジとか、ワンドに入る手前のベイマウス付近とか、春を意識したバスがうろつくであろうスポットを狙っていけると、より確率は上がると思いますよ!」 [写真キャプション] 山間のリザーバーなど、入り組んだワンドや岬が複数形成されている場合、キモとなるのはシャロー側のナローな地形と陽当たり度合いだ。日光の射角と時間を計りつつ、ここぞという時に攻め入りたい。