新型トヨタ ハリアーPHEVは“元祖高級クロスオーバーSUV”にふさわしい進化だった!!! 売れ筋モデルの頂点に迫る!!!
現行トヨタ「ハリアー」に追加設定されたPHEV(プラグイン・ハイブリッド)に今尾直樹が試乗。人気の理由を考えた! 【写真を見る】新型ハリアーPHEVの内外装(25枚)
少々あやしくて優雅な気分に
第4世代の現行ハリアーは2020年6月の発売だから、はや3年。デビューがコロナ禍だったということもあってだろう。その人気はむしろ上昇中で、本年上半期(1~6月)の自販連の統計では10位に入っている。人気の秘密は奈辺にありや? 昨年秋にくわわったPHEV(プラグイン・ハイブリッド)のハリアーに試乗した。 まずもって、PHEVのシステムは、ハリアーの姉妹車である「RAV4」のPHEVとおなじだ。すなわち、2.5リッター直4+モーターで前輪を、モーターのみで後輪を駆動する電気式4WD(E-Four)モデルをベースに、リチウムイオンバッテリーの容量を大幅に増やすことで、EV走行の範囲を広げている。 もちろん、そっくりそのままではなくて、PHEV用に最適化されている。ハイブリッド用と較べると、2.5リッター直4エンジンは最高出力が1ps、最大トルクが2Nm控えめになり、フロントのモーターは120ps/202Nmから182ps/270Nmに強化されている。54ps/121Nmのリヤのモーターはそのままで、これによりシステム最高出力は、ハイブリッドのE-Fourの222psから306psへと大幅にアップしているのだ。 その一方、車重は1950kgと、バッテリーの個数を増やした分、ハイブリッドのE-Fourより200kgほど重くなっている。 なお、PHEVは最上級グレードの「Z」のみの設定で、ブラックの本革にダークレッドのステッチの入ったシートが標準になる。なので、今回、筆者は「海ほたる」の駐車場から都内・九段坂にあるトヨタの広報車窓口までドライブしたのですけれど、乗り込んだ瞬間から、スポーティ&ラグジュアリーで、少々あやしくて優雅な気分になったのでした。 PHEVの多くがそうであるように始動時はEVモードでスタートする。リチウムイオンバッテリーのエネルギー残量は8割ほどで、EV走行距離は72km。カタログ上のEV走行距離は93kmと国内の平均的自動車ユーザーの需要に十分応えられる能力を持っている。 ちなみに海ほたるの駐車場に充電機はあるけれど、トヨタのPHEVは急速充電ができない。PHEVは電池が切れてもエンジンで発電して走行できるからだ。あえてつける必要がないものをつける必要はない。トヨタ流の合理的な考え方である。