「絶対住めない」過酷すぎる…『銀河鉄道999』星々の「独特すぎる気候」
松本零士さんによる『銀河鉄道999』は、1977年の連載開始以来、宇宙を旅する壮大なSF作品として多くのファンに愛されてきた。本作は主人公の少年・星野鉄郎と、謎の美女・メーテルが乗る999号が、驚きと感動に満ちた宇宙での冒険を繰り広げるストーリーだ。 ■【画像】「そっくり!」長いまつげもミステリアス…美しすぎるメーテル姿を披露した山本美月さん■ 本作には、地球とは異なる奇妙な星が数多く登場する。やはりインパクトに残りやすいのは地球人とは異なるビジュアルを持った宇宙人だが、実はその星の天候もかなり変わっていることが多い。ここでは、それぞれの星に登場する印象深い“独特すぎる気候”を振り返ってみよう。
■分かっていても対策のしようがない!?「これからの星」突発性台風
まずは、コミックス7巻「これからの星」で起こる“突発性台風”から紹介しよう。 この星に着いた鉄郎とメーテルは、豪快な主人とその娘の奈美が営む古い旅館に宿泊することとなる。 その日の夜、突然ドアや窓を釘付けにされてしまった鉄郎たち。2人がそんな状況に驚いていると、どこからともなく嵐の音が……。その直後、家が丸ごと吹き飛ばされるほどの暴風雨に襲われてしまう。この一連の出来事は、“突発性台風”によるものだった。 旅館の主人曰く、突発性台風とは“半径100メートルくらいの場所に周囲とのつながりもなしに巻き起こる原因不明の暴風雨”だという。家が吹き飛ぶほどの被害をもたらすものの予測することはできるため、人的被害は防げるようだ。 この突発性台風は、現代でいう強力な竜巻に似た現象である。事前に対策できるとはいえ、家が吹き飛ぶほどの威力には対抗できないだろう。実際、せっかくドアや窓を釘付けにした旅館も、跡形もなく吹き飛んでいた。 それでもこの台風が頻繁に発生するためか、奈美は最後に「吹っ飛んだ家くらい 父さんと力をあわせてまた建てなおすわ、平気平気」と、笑顔で語っている。その前向きな姿勢が、この星で生きるたくましさを物語っていた。
■未来永劫に降り続く雪の世界「雪の都の鬼子母神」
コミックス5巻「雪の都の鬼子母神」に登場する星「雪の都」は、未来永劫に雪が降り続くという星である。 雪が降り積もる世界だけあって、当然とても寒い。この星に到着した鉄郎とメーテルは温かいものを求めてうどん屋に入るものの、提供されたうどんはアイスクリームのうどん状であった。ちなみに、このメニューはこの星の主食らしい。 この星は地上に家を建ててもすぐ雪の下に埋まってしまうため、人々は雪の下に都市を作り続けていた。足下には滅びた古い町がいくつも眠っていると聞くと、どこか寂しさを感じてしまう。 作中、鉄郎は雪のなか足を踏み外し、貧しい人たちの住むエリアへ転落してしまう。そこで鉄郎は空腹の少女・ユキと出会い、彼女の家までついて行くことに。しかし貧しいユキの家には食べるものがなく、ユキの母は鉄郎をオーブンで丸焼きにする計画を立てていた。貧しい雪の国ならではの、恐ろしいエピソードである。 それから、ユキの家で入らせてもらったお風呂は水風呂だった。震える鉄郎に対し、ユキは「水がなぜ冷たいのよ」と不思議そうにしている。寒冷な環境に適応した住民たちの免疫力や感覚の違いも印象的な星であった。