７月５日、中国人民銀行（中央銀行）は数千億元相当の中長期債の借り入れが可能だとし、市場の状況に応じて借り入れた債券を売却する方針を示した。写真は人民銀。北京で２０２２年９月撮影（２０２４　ロイター／Tingshu Wang）

[上海 ５日 ロイター] - 中国人民銀行（中央銀行）は数千億元相当の中長期債の借り入れが可能だとし、市場の状況に応じて借り入れた債券を売却する方針だ。人民銀行が５日、ロイターに明らかにした。 市場は人民銀行のこうした動きを債券価格高騰を抑制するための取り組みの一環と考えている。 人民銀行は債券借り入れについて複数の大手金融機関と契約しており、中長期債を制約なく無担保で借り入れ、市場の状況に応じて売却する。 中国国債先物はこの日軒並み下落し、国債利回りは上昇した。 中信証券のチーフエコノミスト、ミン・ミン氏は、人民銀行の債券借り入れとその後の売却方針がさらに明確になったと述べ、「人民銀行が保有する国債の規模は数千億元に達しており、１日に集中的に売りが出れば市場に大きな影響を及ぼす」と述べた。 人民銀は今週、公開市場操作でプライマリーディーラーから近い将来に国債を借り入れる計画だと発表していた。 人民銀が国債を売却すれば、信用のフローや市場金利を管理する新たな手段となる。 景気回復の鈍さや不安定な株式相場を背景に安全資産として債券が買われる中、中国国債は今年に入り価格上昇が続き、利回りは記録的な水準に低下している。 一方、キャピタル・エコノミクスの中国経済担当責任者、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「広範な金融引き締めがなければ、人民銀が期待できるのは債券価格の上昇を一時的に停止させることぐらいだ」と指摘した。 人民銀の債券借り入れについてはブルームバーグが先に報じた。