鎌田大地の延長OP行使を期待か…契約満了間近、ラツィオの思惑の背景は?
ラツィオに所属するMF鎌田大地の去就について、イタリアの移籍情報サイト『TUTTOmercatoWEB』が28日の特集でスポットライトを当てた。 マウリツィオ・サッリ前体制での冷遇を跳ね返し、イゴール・トゥドール新体制の中心選手となって躍動を見せた鎌田。昨夏に結んだ1年契約の契約延長オプションの行使期限が月末に迫る中、特集記事では「ダイチ・カマダの将来はますますクエスチョンマークになっている」などと綴ってその背景に注目した。 記事は、サッリ指揮下の4-3-3で代えの利かないルイス・アルベルトとの共存が不可能という点が「カマダが10月から3月までほぼ半年間にわたってベンチを温めた理由」だったと指摘。ところが「トゥドールの到来によってテーブル上のカードが変わった」と現状を伝えた。 ただ現在、選手側のみが保持する契約延長オプションの行使に「カマダはためらっている」と主張。「日本人選手はトゥドールにとっても、クラブにとっても技術的な面でプロジェクトの中心だが、まだ契約の更新に至るには足りないものがある」と説明した。 そのうえで「自動更新の条項を発動させるために残された時間は少なく、交渉をする必要がある」と強調した。鎌田側が「年俸300万ユーロ(約5.1億円)から350万ユーロ(約6億円)への調整と1年契約にサインするチャンス」を求めているのに対し、ラツィオ側はイタリア国外出身の選手らに適用される税制上の優遇措置が有効な「前回の契約の解除を望んでいない」ため、双方の求める条件に隔たりがあるようだ。 『ラディオセイ』のラジオ番組に出演したイタリア紙『イル・メッサッジェーロ』のアルベルト・アッバーテ記者もラツィオの立場を解説している。 「もし条項が発動されれば、昨夏に締結した契約の延長になるため、まだ優遇措置を利用することができる。当時は誰も優遇措置が(昨年末で)廃止になるとは知らなかった」と説明した。節税が見込めない新契約の締結となれば再交渉は難しくなるため、クラブはその方針は考慮していないようだ。 また同記者は、「今日から明日(27日から28日)にかけて、日本人選手の代理人が来る予定だ」とも伝えており、「ラツィオが年俸を増額して日本人選手に歩み寄るのか、MFが契約延長の条項を行使するのか」に注目している。特集記事でも「決定的な瞬間だ。カマダの将来は今後数時間のうちに記されていくだろう」と注視されている。