インスタグラム利用者人口の4割 韓国流の美術館の楽しみ方 名作の前で撮影の行列
ソウルの美術館でフランスの画家ミッシェル・ドラクロワの作品展を見た。時間ごとに入場制限していたが、それでも人混みをかき分けて見なければならないほどの盛況ぶりだった。 韓国で美術館に行くたびに気になるのが、写真撮影に対する熱心さだ。作品の前でポーズを取りながら撮影して回る。有名作品の前には行列ができ、流れ作業のような撮影が続いていく。 韓国メディアによると、韓国内のインスタグラム利用者は約2142万人(3月時点)で、人口の4割に達する。撮影した写真を交流サイト(SNS)に投稿して共有するまでが、韓国流の楽しみ方なのだろう。 観察しているとカップルの場合、撮影するのは常に男性だ。男性側も手慣れたもので、女性が作品の前でポーズを取るたびに連写して「ベストショット」を狙う。ポーズを変え、角度を変え、さながら「撮影会」といった感じだ。 「すべての男は消耗品である」。村上龍氏の有名なエッセーが頭に浮かんだが、男性も撮影した写真を女性と一緒に選ぶなど楽しんでいる様子。芸術の楽しみ方は人それぞれだ。