中村隼人 新作歌舞伎で早変わり11回!?性別も顔の色も変わらず「とにかくスピードが大事」
歌舞伎俳優の中村隼人が16日、都内で「壽 初春大歌舞伎」(翌1月2~26日、歌舞伎座)の夜の部「大富豪同心」取材会に出席した。 2010年から刊行されている幡大介氏による同名小説が原作。19年にはNHK・BSで時代劇「大富豪同心」が放送され、隼人も出演。このほど新作が歌舞伎化することになった。 歌舞伎座での初春公演への出演決定に「今年浅草歌舞伎を卒業して、1年目で歌舞伎座に出させてもらって。そこに浅草のメンバーが集結して兄さんたち、同世代と作品を作れることをうれしく思います」と喜んだ。公演を前に「不安より楽しみ」と期待を膨らませた。 ドラマに続き、主人公の八巻卯之吉と、卯之吉にそっくりの将軍の弟・幸千代の一人二役に挑戦。「二役早変わりをどうしていこうか。普通だと『性別が変わらないとおもしろくない』『顔の色が変わらないとおもしろくない』と言われる中で、今回は時間の都合で顔の色はそのままになってしまうので、とにかくスピードが大事。幸四郎さんの演出の意図に添えるように」と意気込んだ。同作で演出デビューする松本幸四郎も「顔が似た人が早変わりは歌舞伎史上ないと思う」と告白。続けて「今のところ11回。1ページの中で2回とか」とかなりの回数に、隼人は「多いですね」と苦笑いだった。振付を担当する尾上菊之丞も「役者の腕次第ということで見届けたいと思います」と隼人に期待を寄せた。 年始から同公演に出演するほか、1月5日スタートのNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(日曜・後8時)にも長谷川平蔵役で出演。新しい1年を前に「来年は万博もありますし、海外からも日本の文化を再注目される時期だと思う。歌舞伎に注目してもらう時期を待って、どんどん力を蓄えていきたい」と意気込んだ。
報知新聞社