定数議論、結論出ず 議運が経過まとめ答申、和歌山県田辺市議会
来年5月の改選を見据え、議員定数の在り方について調査研究してきた和歌山県の田辺市議会議会運営委員会(市橋宗行委員長)は25日、尾花功議長に答申した。委員会として意見の集約を図ったものの、一定の結論を得るまでには至らなかったとし、議論の経過をまとめた内容にとどまった。 【議員定数で議論 現「20」の田辺市議会、和歌山の記事はこちら】 市議会の定数は2005年の市町村合併時は「30」だったが、徐々に削減し、現在は「20」。ただ、県議選への出馬や健康上の理由などによる辞職のため、欠員3となっている。こうした現状を踏まえ、尾花議長が9月末、現在の議会運営も含めて調査するよう諮問した。 その後、専門家を講師に招いて研修会を開いたり、議会運営委員会で自由討議を実施したりしてきた。 自由討議では「議会には多様な視点が必要で、定数20から減らすべきではない」「定数20のままだと、市民からすれば増やすという感覚になる」「次の選挙まで時間がなく、改選後にしっかり議論するべきだ」などさまざまな意見が出され、全会一致の意見を得るまでには至らなかった。 尾花議長は答申を受け「議会に求められる役割や機能について率直に意見を交わしたことは意義深かったと思う。議員定数の在り方についてはさまざまな考え方があり、集約することは難しいと改めて感じた。今後も議会の機能や役割を果たしながら、市民福祉の向上と市政の発展に努めたい」と話した。 議員定数の変更には、条例の改正が必要となる。田辺市の類似自治体(人口5万人以上10万人未満)の議員定数は、全国平均20・4となっている。
紀伊民報