破天荒さは『あぶ刑事』以上!? おバカ要素も魅力「トンデモ刑事」が大活躍する名作ゲーム
■番組を追体験しつつ撃ちまくれ! 『ザ・警察官 新宿24時』
2000年にアーケード版が稼働し、のちにコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)によってPS2用ソフトとして発売された『ザ・警察官 新宿24時』は、ドキュメンタリー番組ではおなじみの“警察24時”をモチーフとしたガンシューティングゲームである。 本作の最大の特徴は、従来のガンシューティングに肉体の動きを感知するセンサーを採用した点だろう。 具体的にはプレイヤーの“姿勢”を感知するセンサーで、体を傾けたりしゃがむことで、遮蔽物に隠れて相手の攻撃をやり過ごすことができる。敵を正確に射撃するのはもちろんのこと、足腰を駆使して素早く回避する必要があり、これまでのガンシューティングとは一味違ったゲーム体験をすることができるのだ。 PS2版では別売りの「人工網膜センサー キャプチャーアイ」と「ハイパーブラスター」を利用することで、アーケード同様の遊び方が可能。もちろん、PS2コントローラーでもプレイはできるが、より直感的に遊ぶためには上記2点が必須となるだろう。 前述のとおり「警察24時」をモチーフとしていることから、ナレーションを“本家番組”でも有名な田中信夫さんが担当していたりと、豊富なBGMと相まってかなりの没入感を味わうことができる。 その一方、群がる暴力団や指名手配犯を相手に拳銃をガンガン発砲していく姿は“警察官”としてはかなりぶっ飛んでおり、しかも敵を倒すほど出世していくさまは、なんともシュールな光景だ。 さらに一般人を誤射するとペナルティが課せられるシステムなのだが、この場合、プレイヤーの誤射が“不祥事”として記事に取り上げられるなど、どこかクスリとしてしまう“おバカ要素”を盛り込んでいるのも面白い。 すこし過激な警察官の奮闘を全身で体験できる、実に破天荒なガンシューティングゲームといえるだろう。
■渾身の“体当たり”で逃亡犯を止めろ! 『チェイスH.Q.』
刑事が主人公のゲームでは、これまで紹介したようなアクションやシューティングの要素が強めの作品が多いが、一方で“レースゲーム”のような一風変わったジャンルをベースとした作品も登場している。 1988年にアーケード版が稼働し、のちにさまざまなハードに移植されたタイトーの『チェイスH.Q.』こそ、そんな“刑事”と“レース”を見事に融合させた一作だ。タイトルが示す通り、本作は車で逃亡を図る犯人を車で追いかけ、逮捕することが目的となっている。 ゲームの内容としては逃走中の犯人に追いつく“前半パート”と、犯人と激しいチェイスを繰り広げる“後半パート”に分かれており、全5ステージで構成されている。 前半パートでは画面に現れる矢印通りに分岐を選び、犯人へと迫っていく。表示された方向にいかないとタイムロスになってしまうため、素早く操作し、表示される道に進まなければならない。 そして、後半パートになると、犯人の車を追いかけてなんとかその足を止める必要があるのだが、この方法が銃による射撃などではなく、なんと“自分の車をぶつける”というぶっ飛んだ方法なのだから驚かされてしまう。 また、プレイヤーが操作する車には回数限定で使える“ターボ”が備え付けられており、一定時間、犯人と並走をすることでも逮捕は可能だ。 卓越したドライブテクニックで相手と並走し、穏便に済ませるのも良し。車同士をぶつけ合い、容赦なく相手の車を破壊して引きずり下ろすのも良し。 レースというジャンルを独特の世界観にアレンジした、実に個性的な一作といえるだろう。 ゲームに登場する“刑事”たちは皆、現実離れした破天荒な活躍で群がる敵をなぎ倒し、力技によって凶悪犯罪を鎮圧化してみせる。アクション、シューティング、レース……さまざまなジャンルで大暴れする“トンデモ刑事”たちの活躍を、ぜひ自身の手で体験してみてほしい。
創也慎介