「新宿野戦病院」で最注目はヒロインの「橋本愛」 クドカン作品で“インパクト強め女優”の本領発揮か
7月期の新ドラマで最大の注目作といえば「新宿野戦病院」(フジテレビ系)だろう。1月期の大ヒットドラマ「不適切にもほどがある!」を手掛けた宮藤官九郎氏の今年2本目となる新作連ドラであり、フジテレビの連ドラとしては23年ぶりのクドカン脚本作品となる。 【写真】貴重!ロングヘア時代の橋本愛はこちら 宮藤氏が手掛ける初の医療ドラマとしてオンエア前から期待値が高かった本作だが、ヒロインとして初回から安定の演技をみせているのが女優の橋本愛(28)だ。ドラマのシーン転換に流れる劇中の英語ナレーションも担当し、注目を集めている。民放ドラマ制作スタッフは言う。 「主演は小池栄子さんと仲野太賀さんですが、ヒロインで、いわゆる“裏回し”的な存在なのが橋本愛さん演じる南舞です。第1話ではNPO法人で真面目に働きながら、変装してホテル街を歩く別の顔も持ち合わせている、という謎の存在を好演しています。この陰のあるキャラクターは橋本さんだからこその役で、“当て書き”かと思うくらいです。彼女がクドカン作品に初出演したのは『あまちゃん』で、そのときは“アイドルとしての完璧な才能がありながら地元から一度も出られない”という運命に翻弄(ほんろう)される役でした。橋本愛というクールビューティーで演技力が高い女優に対し、宮藤さんはこういう陰を作りたがる。そんな橋本さんが物語の中でどんな展開をつくっていくのか楽しみです」
■ファッションにも造詣が深い 橋本は番組コメントで「宮藤さんとまたいつかご一緒できたらと目標として過ごしてきたので、夢がかなったような気持ちです」と意欲を語っていた。 12歳でオーディションからデビューを勝ち取ると、翌年にはファッション誌「Seventeen」のモデルになった橋本。女優としては2013年の「桐島、部活やめるってよ」のヒロイン役が注目され、同年のNHK朝ドラ「あまちゃん」で大ブレークした。近年では、陰や裏がある役柄が多く、数々の作品で、厚みのあるヒロイン像を描く際に重宝されている。 「17歳前後で『桐島~』と『あまちゃん』という次世代にも語り継がれる名作に出会っているわけですから、女優として“持っている”のでしょう。NHKの作品出演が多いのも彼女の特徴です。大河ドラマだけですでに3作品に出演し、来年の『べらぼう』にも出演予定。単発のNHKドラマへの出演も多く、レトロな世界観でヒロイン役を演じさせたら右に出る者はいないレベルです。たたずまいから重厚感を醸し出すことができる女優で、彼女がヒロインを演じると物語に気品が漂うため、出演作品が途切れないのでしょう」(前出の制作スタッフ) 順調に女優としてのキャリアを積み重ねているが、まだ単独主演での代表作には巡り合えていないというウイークポイントもある。映画制作会社のプロデューサーは橋本をこう評する。 「美しい女優はたくさんいますが、橋本さんのようにここまでヒロイン役をしっかり演じられる女優は珍しい。そんな彼女も30歳に差しかかるころなので、そろそろ代表作がほしいところ。デビュー当時は作品にも恵まれましたが、ここ最近はそこまでインパクトを残せてないようにも思います。だが、今回の『新宿野戦病院』を見ても、やはり民放ドラマに彼女が出ると作品がギュッと締まるというか、物語に厚みが出る。それは彼女が持つ唯一無二の才能でしょう。橋本さんは映画やファッションにも造詣が深いので、例えば個展を開いてみたり、自身で映像作品を撮ってみたりして、その才能を世に知らしめることも必要かもしれません」