芸歴25年目、スターであり続ける柚希礼音の志「人生は修行」【インタビュー】
◆ あっという間の25年、まだ見ぬ世界をもっと見たい
──同じく作詞曲「I miss you」(2021年)は「自分はこれからどのように生きていくか」を考えさせられる内容でもありました。先ほどのお話然り、そして『REON JACK』の趣旨もそうですが、柚希さんは自分というものを模索し続けている芸能生活25年なのかなって。 そのようにおっしゃっていただいて、ちょっと思い当たることがあるんです。よく「死ぬまでにやりたい100のこと」とかあるじゃないですか。私はそういうものがすごく響くタイプ。「私もなにか書いてみよう」とリストアップしたことがあって、そのなかで一番やりたいことは世界一周でした。つまり、まだ見ぬ世界をもっと見たいんです。もし今と違う人生を歩んでいたらきっと世界中を旅していたと思います。 現在もいろんな場所へ行きますが、「こういう場所もあるんだ」と発見ばかり。宝塚退団後に単身でニューヨークに数カ月行き、その後も行くたびに刺激をもらえます。 ──そんな柚希さんですが、25年も芸能生活を送れると思っていましたか。 まったく思っていませんでした。宝塚歌劇団へ入団したときも、毎日踊れることへのうれしさはありながら、お芝居と歌は初めてだったので「難しいな」とずっと試行錯誤していましたし。でもそのたびに「私はまだまだ」と思って、その積み重ねでここまで続けてくることができました。小さいことを積み上げていけば「もっとこうしたい」と欲も生まれてくる。「じゃあ次はそれを目指してがんばろう」という風にやっていたら、あっという間に25年が経っていました。 ──そうやって「次はこういうことを目指してがんばろう」と活動しながら、一方で「I miss you」では、「生きてるだけでつらくなったときは 何も がんばらなくていいから」とも歌っていらっしゃいますね。 自分に向けて言っているところもあるんだと思います。私もそうですけど、みんなついついがんばりすぎちゃうじゃないですか。特に私は「人生は修行」とずっと考えていて、1人で1000本ノックを受けている気分でやってきて、だけどその成果が出るのって1回あるかないか。そういう生き方のなかで必要なのは、自分の労り方なんです。人生を楽しんで、自分のことをちゃんとケアしてあげなきゃいけない。30代後半から特にそういう風に思うようになりました。 「I miss you」はコロナ禍の気持ちを歌ったものですが、そういう状況を通して自分を労ることの大事さも伝えています。ですからこの曲は、自分はもちろんのこといろんな人の心の支えになってほしいです。 ──『REON JACK5』はそんな柚希さんの生き方が詰まった公演になりそうですね。 毎回「これで終わりにしよう」と思ったりもするけど、でもやっぱり終われない。もっともっとみなさんに楽しんで欲しいし、伝えたいこともあります。ですからこれから先も、いろいろ形を変えながら『REON JACK』をやっていきたいです。 ◇◇ 『REON JACK5』は8月29~31日に「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ』にて上演される。チケットは全席1万2500円で、一般発売は7月20日。