94歳の「世界最高齢スピードスケーター」、全日本マスターズ優勝を報告 「来年も」と意欲
「世界最高齢スピードスケーター」としてのギネス記録を持つ長野県茅野市の丸茂伊一さん(94)が7日、市役所を訪れ、1月6、7日に山形市で開かれた「第24回全日本マスターズスピードスケート競技会」の90歳以上95歳未満のクラスで優勝したことを報告した。健康器具を使った日々の鍛錬と趣味の短歌づくりを精力的に続け「来年も」と意欲を見せている。 今大会は500メートルと1000メートルにクラス唯一の選手として出場。1日目の500メートルは3分28秒26で、2日目の1000メートルは15分18秒33でゴールした。「1000メートルはきつく途中で足が痛くなり、やめようかなと思った」。だが、会場からの声援や拍手に「やめるわけにはいかない」と背中を押され、滑りきった。 6歳の頃から、下駄(げた)の下にスケートの刃を付けた「下駄スケート」で凍った諏訪湖や近所の田んぼなどで滑ってきた丸茂さん。セロリ農家の傍ら茅野市議を12年間務め、市運動公園国際スケートセンター「ナオ・アイス・オーバル」の開設にも力を入れた。 近所の散歩や脚を開閉する健康器具で体力を養いつつ筋力を維持している。定期的にスケートセンターにも足を運び、休憩をはさんで3周ほど滑る。「まだあの世に行きたくないという気持ちがあるから続けられると思う。短歌と合わせ、続けて行きたい」と笑顔で話した。 丸茂さんは18日、市国際スケートセンターで開かれる第68回市総合体育大会スケート競技会にも出場する予定。報告を受けた今井敦市長は「丸茂さんの姿に励まされている人も多い」と激励した。