熊本市電の運賃200円に…利用者減少や人件費高騰で経営厳しく、来年6月に20円引き上げ予定
熊本市交通局は31日、熊本市電の運賃を20円引き上げ、200円とする方針を明らかにした。今年度中に関連条例の改正を行い、国への認可申請などを経て来年6月の改定を予定している。 【写真】熊本市役所
同日に開かれた市議会特別委員会で報告した。同局は、利用者の減少や人件費の高騰で昨年度の経常収支が赤字となるなど厳しい経営状況が続いているとし、「持続的な運行には運賃改定が必要」と説明した。値上げが決定すれば、消費税増税に伴って10円引き上げとなった昨年6月以来となる。
同局によると、現在180円の運賃を維持すると、来年度から導入する上下分離方式で運営を担う一般財団法人も初年度から赤字となる見通し。一方、200円になれば年間約1億6300万円の増収が見込まれ、会計年度任用職員の正規雇用や新たな手当の支給など乗務員の処遇改善などに充てることができるという。
委員会では、「公共交通の利用者増加に逆行するのではないか」などの意見が出たが、担当者は「利用者の負担増は心苦しいが、市電の安定的な運行継続のためにご理解いただきたい」と話した。