半世紀友好 14年ぶり再開 黒部市とオランダ姉妹都市 YKKが縁、交流促進誓う
●日蘭で最古の提携 黒部市の姉妹都市であるオランダ、スドウェスト・フリースラン市の訪問団が4日、黒部市役所を訪れ、両市長が半世紀に及ぶ友好をさらに発展させていくことを誓い合った。YKKの欧州拠点工場立地を縁とした姉妹都市交流は一時停滞していたが、2022年に武隈義一市長が現地を訪れて再開、今回14年ぶりにフリースラン市訪問団の招へいが実現し、本格的に動きだした。 【写真】フリースラン市までの距離表示に笑顔のフリース市長 両市はフリースラン市前身のスネーク市時代の1970(昭和45)年、姉妹提携した。今回訪れたのはヤンネヴィーツク・デ・フリース市長をはじめ、フリースラント州のフリソ・ドゥウストラ副知事、YKKオランダスネーク社のトーマス・モルダー常務ら9人で、オランダ側からの黒部訪問は14年ぶりとなる。 武隈市長は市役所で行われた式典で「この訪問を両市の歴史に刻み、50年、100年先に向け友情の絆を一層強固にしたい」と歓迎の言葉を述べた。フリース市長は日本、オランダ間の最も古い姉妹都市だとし、「時代の要請に応じて関係を進化させ続けたい」と今後に期待を込めた。 YKKはスネーク市時代に欧州で最初の工場を設けており、黒部市名誉市民の吉田忠裕同社相談役が「YKKにとって非常に重要な地域であり、末永い姉妹都市事業の推進を祈る」とメッセージを寄せた。 互いの絆を育み、将来の繁栄へ共に協力していくことを宣言する盟約書に調印した。フリース市長は黒部市役所の敷地内に設置されている、フリースラン市までの距離8991㌔を示す看板を確認し、笑顔を見せた。 ●県庁、YKKも訪問 一行は富山県庁に新田八朗知事を訪ね、新田知事は150年前にオランダ人土木技師が富山に治水の技術を伝えたと紹介し「これからも多くのことを学びたい」と交流促進を誓った。黒部市のYKK黒部事業所も訪問した。5、6日はトロッコ電車乗車など市内を視察し、7日に帰国する。