アジアのウェルスマネジメント期待の星、UBSで困難な仕事に挑む
ヤン氏は電子メールで「私は深く尊敬するエイミーと共に、この地域で最高かつ最大のウェルスマネジメント事業を共同で率いる機会を提供された。これは逃すことのできない大きなチャンスだった」とコメントした。
ヤン氏の最優先課題の一つは、ウェルスマネジメント資産でモルガン・スタンレーに次ぎ世界2位のUBSの市場シェア拡大に貢献することだ。
そして、同氏の最大の課題は、ウェルスマネジメントへの慎重なアプローチで知られるUBSと、よりスピードが速いと見られるクレディ・スイスという2つの異なる文化を統合することだ。
UBSは顧客の資産を守り、有利なヘッジファンド、プライベートエクイティー(PE、未公開株)、ベンチャーキャピタル(VC)へのアクセスや後継者育成のアドバイスを提供することに重点を置いてきた。一方、クレディ・スイスは、プライベートバンキング事業を獲得するため、インドネシアなど新興国市場で起業家への融資により力を入れていた。
事情に詳しい関係者によると、これまでのところ、ヤン氏に対するスタッフの反応はまちまちだ。率直で有能だと評価する人もいれば、ドイツ銀から短期間で移籍した同氏の忠誠心を疑問視する声もある。また、ヤン氏の退社はドイツ銀の幹部らも失望させたという。ドイツ銀の広報担当者はコメントを控えた。
人材紹介会社ハドルストーン・ジョーンズの創業パートナー、ダニー・ジョーンズ氏は、ヤン氏について「アジアのプライベートバンキング分野で最大級のリーダー的地位に就いた。スポットライトは今、同氏に当たっている」と述べた。
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原題:Wealth Management’s Rising Star in Asia Has Tricky Task at UBS(抜粋)
--取材協力:Preeti Singh、Ambereen Choudhury、Joyce Koh.
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Chanyaporn Chanjaroen, Denise Wee