どっこいしょ…「ベンチがなくて困った」センテラス前バス停に「思いやり」の4基 天文館のまちづくり団体が設置
バスを待っている高齢者たちが、ベンチがなくて困っている―。南日本新聞が読者の声を基に取材をしてから1年半、鹿児島市千日町のセンテラス天文館前に、バス停用の常設ベンチ4基が登場した。「We Love 天文館協議会」など4団体でつくる「天文館みらいマネジメント」が、センテラスの協力を得て敷地内に整備したもの。関係者の「思いやり」が形になった。 【関連】センテラス天文館前バス停「ベンチなくて困る」 利用者が訴え 座り込む高齢者も…運営会社に設置予定なし マルヤガーデンズ前には商店街などが5台
ベンチは8日設置され、幅1.3メートルで2人掛け。センテラス広場から文化通りにかけ、共同バス停近くの4カ所に配置され、建物や景観になじむ濃い茶色のデザインとなっている。9日にベンチを利用した武岡2丁目の無職福末光文さん(80)は「いつも立ってバスを待つことがつらかったので助かる」と喜ぶ。市郊外の団地から天文館を訪れた小浜スミエさん(78)は「通院でよくバスを使う。以前からここで休めればいいと思っていたので、とてもありがたい」と話した。 同マネジメントは一般社団法人で、まちづくりに関して行政の補完的機能を担う都市再生推進法人に指定されている。昨年6~7月の2週間、センテラス前にベンチ2基を設置する社会実験を実施し、利用状況や広告収入を調べていた。 その結果、常設を求める声が多く、ごみの散乱などの課題もあったが、清掃費をまかなえる広告需要を確認できたとする。寝そべるなどして占有されるのを防ぐため、ベンチの座面には仕切りを設けた。
広告収入に余剰があれば、マネジメントが開催している「照国ホコ天」などのまちづくり活動に充てる計画。牧野田栄一副理事長(69)は「課題もあったが、利用者に喜ばれており、設置して良かった。快適に天文館の街歩きを楽しむアイテムとして使ってもらいたい」と話した。
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