雨や台風後に呼吸が苦しく…「雷雨ぜんそく」に秋はご注意 症状ない人も突然発症? 【#みんなのギモン】
どういうことかというと、小柳医師によると、明確な理由ははっきり解明されていないものの、こんな説があるといいます。花粉は粒子が大きいため、吸い込んだとしても普通は目や鼻、のどの粘膜に付着し、花粉症の発症でとどまることがほとんどだといいます。 しかし、雷雨などで舞い上がった花粉は水を含むと膨張します。そして、破裂して粉々になってしまいます。このような小さくなった花粉の粒子を吸い込んで気管支まで入ってしまうことが、雷雨ぜんそくの一因となるのではないかと話していました。 中国のフフホトの街ではススキが多いので、毎年春と秋には鼻炎やぜんそくの患者が多くなるそうです。今回は2日の大雨で花粉が粉砕され、雷雨ぜんそく患者が続出したとみられます。
過去には死者が出たケースもあります。BBCによると2016年、オーストラリアのメルボルンでは大雨の後、雷雨ぜんそくの症状で8000人以上が病院を受診して8人が死亡したといいます。 原因は「イネ科の植物の花粉」だといいます。雷雨で細かく砕けて肺に入ったものとみられています。メカニズムがはっきり解明されたわけではないですが、海外の事例からこのように分析されています。
日本では春のスギ花粉でつらい思いをする人が多いです小柳医師によると、「秋に花粉症になる人もいるので、雷雨ぜんそくに特に注意」というふうに話していました。というのも、「海外の雷雨ぜんそくの報告では、ほとんどがイネ科の花粉が原因だった」といいます。 イネ科の花粉は秋に飛ぶものも多いです。特に秋の花粉症のある人は、これからの季節は「サージカルマスクなどをつけて花粉を吸い込む量をある程度おさえる」、そして「雷雨の翌日は不要な外出を控えることが大切だ」ということです。
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さらに、花粉症じゃない人も油断できないことがあります。 呼吸器内科医の倉原優医師によると「アレルゲンが気道の奥まで入り込んでしまうと、これまでぜんそく持ちではない人もしんどい発作が出てしまうことがある」といいます。 雷雨ぜんそくで救急受診した人のうち、これまでぜんそくと診断されなかった人は「3~5割」というデータもあります。花粉などを吸い込まないために、マスクなどをつけることが大事です。
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