【児島ボート・GⅠ周年記念】「児島に愛されている」菊地孝平が大会3度目のV
児島ボートのGⅠ開設72周年記念「児島キングカップ」は9日、12Rで優勝戦が行われ、3号艇の菊地孝平がまくって勝利。58、68周年に続く大会3度目、GⅠ通算16度目のVを果たした。2着は4号艇の宮地元輝、3着には5号艇の羽野直也が入った。1号艇の大池佑来は6着に敗れ、3連単も8290円と波乱の決着となった。6日間の総売上額は72億6273万3900円で、目標額の67億円を大幅に上回る盛況のうちに幕を閉じた。
■ヒーロー やはり児島に愛される男だった。菊地孝平が好相性の水面で大会3度目のVを飾った。 本番は8メートルの強い追い風が吹くコンディション。そんな中でも艇界屈指のS野郎は「手前で一発放って合わせてから行った」とコンマ07の計算尽くされたSを決めると、1Mは「まくり差しは行けないと思って」とここでも冷静な判断でまくりを選択。内の艇を一気にのみ込んで独走態勢を築くと、危なげなく歓喜のゴールに駆け込んだ。 予選は18位で準優へは滑り込み。それでも「児島に愛されている」と自ら語り、「ピンチのときには運が向いてくる」という当地が大きく背中を押した。準優では3艇Fの大波乱の中を生き延びて優出切符をゲットすれば、ついには頂点までつかみとる〝下克上〟を果たし、その言葉に一切の偽りがないことを証明してみせた。 次節は初出場となる鳴門のプレミアムGⅠマスターズチャンピオン。SG5冠を誇る実力者もここでは最若手となる。それでも「自分はチャレンジャーの方が好きなので」と闘志を燃やす。まだまだ脂の乗る45歳は「新人としてマスターズはやっていきます」。挑戦者魂を忘れない〝ルーキー〟が新たな勲章をつかみに行く。(古賀正史)
◆菊地孝平(きくち・こうへい)1978年8月16日生まれの45歳。岩手県出身、静岡支部の82期。同期には赤岩善生、中澤和志、横澤剛治、坪井康晴らがいる。GⅠは2004年7月のとこなめ周年で初Vを挙げて通算16V。SGは初制覇だった05年若松メモリアルをはじめ5V。166センチ、54キロ、AB型。