夫婦2人の年金額は「月22万円」!? 定年後「年金だけ」で生活できない場合は働くべき? 平均受給額と平均支出をもとに解説
定年退職後には年金だけで生活しようと考えている人も多いでしょうが、平均的な支出から考えると難しいかもしれません。そのため、ライフスタイル次第では働く必要があるでしょう。ただし、あくまでも平均の話なので、一人ひとりが置かれている状況を確認する必要がある点に注意してください。 本記事では、定年退職後にもらえる平均年金や平均支出について解説するので、年金だけで生活できるか気になる人は参考にしてください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
平均年金と平均支出はどれくらい?
夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金の金額は、2023年度は「月22万4482円・年269万3784円」になります。 一方で、65歳以上の夫婦のみの無職世帯が1ヶ月に必要になる生活費は、総務省統計局発表の家計調査報告によると、2022年は「月26万8508円(非消費支出3万1812円+消費支出23万6696円)・年322万2096円」です。 平均年金と平均支出の毎月差額は22万4482円-26万8508円=--4万4026円と赤字になります。 平均から考えると、毎月貯蓄を取り崩しながら生活することになるため、放置しているといずれは生活費が足りなくなる可能性があります。 ただし、人によって「受給できる年金額」と「支出額」は違うので、自身のライフスタイルや収入の見直しをすることが大切です。定年退職する前に収入と支出のバランスについて確認して、貯蓄の取り崩しなどが必要かどうかを判断してください。一般的には定年退職すると収入が減るため、定年退職前と同じような生活をすることはリスクが高いです。 一方、年金収入が標準額よりも多くて十分に支出を上回っているなら、定年退職後に年金だけで生活することはできます。あくまでも自身が置かれている状況や、ライフスタイルを総合的に判断する必要があります。
収入が支出を下回るなら働いた方がいい
年金収入などが支出を下回っている場合、定年退職した後でも働いた方が生活の安定にもつながります。 働き方についてはそれぞれの希望やスキル・経歴などによって異なりますが、近年では再雇用を積極的におこなっている企業も多く、定年退職前に収入と支出について確認して、収入が支出を下回りそうなら働き方や働く場所について、先に探しておきましょう。 なお、定年退職後にも働く人は増えていますが、その理由は生活費を稼ぐ以外に、社会と関わりを持ちたい、健康維持のために身体を動かしてメリハリをつけたいなどさまざまなものがあります。定年退職直後などは、働きたくない・少しのんびりしたいと感じる人は多いかもしれませんが、安心して老後生活を送るためにも働くことも考えておきましょう。 ■貯蓄がない状態は問題に対応できない 年金と貯蓄の取り崩しで生活する方法も1つの手ですが、貯蓄がなくなってしまうと問題への対応が難しくなります。 老後の生活において、さまざまな問題が発生する可能性があります。病気やけがでの入院・住宅設備が破損してのリフォーム代・家具や家電の買い替え費用など数万円から数十万円が必要になるケースは少なくありません。このような状況が発生しても対応できるように、ある程度は収入を得て貯蓄の取り崩しを少なくすることは大切です。 どのような問題が発生するかは予想が難しく、問題が発生してから貯蓄をしても間に合いません。万が一に備えて、働きながら貯蓄を減らさない努力が求められます。
まとめ
あくまでも平均を基準とした想定ですが、前記のように平均年金と平均支出から考えると、定年退職後に年金だけで生活することは厳しいです。定年を迎える前に、自身のライフスタイルや収入と支出のバランスについて確認しておきましょう。収入が支出を下回りそうな場合、定年退職後に働くことも視野に入れておきましょう。 出典 日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について 総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部