【シンガポール】政府、炭素クレジットでザンビアと協力
シンガポールとアフリカ・ザンビアの両政府は19日、気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」の第6条に沿ったカーボンクレジット(炭素排出枠)関連で協力すると発表した。 アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)に合わせ、シンガポールのグレース・フー持続可能性・環境相兼貿易担当相とザンビアのマイク・ムポシャ・グリーン経済・環境相が覚書を交わした。 両国は今後、パリ協定の第6条第2項に基づくカーボンクレジットに関する実施協定締結に向けて協力関係を構築する。具体的には炭素クレジット関連のベストプラクティス(最良事例)や知見の共有を促進するほか、パリ協定に沿って定める国別の温室効果ガスの削減目標「国が決定する貢献(NDC)」達成を相互に支援するための環境改善プロジェクトの特定を進める。関連インフラも整備する。 シンガポールは今年1月にカーボンクレジットの運用指針を定めた「国際カーボンクレジット(ICC)フレームワーク」を導入。適正な国際カーボンクレジットを利用することで、課税対象となる炭素排出量の最大5%までを相殺することを可能とする制度で、これまでにパプアニューギニア、ガーナとの間で2国間の実施協定に署名している。 今回ザンビアと結んだ協力覚書は、フィリピン、カンボジア、ラオス、モンゴル、ケニア、セネガルなどとも締結。法的拘束力のある実施協定の締結に向けた取り組みを進めている。