米軍が親イラン勢力へ報復攻撃 専門家が語る「最悪のシナリオ」とは
既に日本も影響を受けている
須田)日本はイランから原油・天然ガスなどは輸入していませんが、日本への影響はどんなことが考えられますか? 小谷)まずは油の価格など、そういう面で影響を受けると思います。また、既にフーシ派が紅海において船舶への攻撃を行っており、そこが通れないので、物価上昇にもつながっています。間接的ではありますが、日本も既に影響を受けていると言わざるを得ません。
バイデン大統領は共和党からの「及び腰」という批判にどこまで耐えられるか
新行)大統領選への影響があると思いますが、アメリカ国内の世論はどう捉えているのでしょうか? 小谷)アメリカでは1979年以降、「イランは敵」という認識が共有されていますので、イランに対して「弱腰」と思えるような姿勢は、どの政権であっても取ることができないと思います。大統領選挙が進み、トランプ前大統領がイランへの攻撃を主張するなかで、バイデン大統領がどこまで共和党からの「及び腰」という批判に耐えられるかという問題が出てくると思います。
ガザ地区への攻撃を支持したバイデン政権への批判が今後のアメリカの対応にどう影響を与えるか
新行)入植者に関する大統領令も出ましたが、その辺りのバランスはどうご覧になりますか? 小谷)ガザに対する攻撃に関しては、人道的な立場をより重視するようイスラエルに注文をつけていますが、基本的に軍事行動を止めてはいません。一方で西岸地区において、イスラエルの入植者がパレスチナ人に対する攻撃を強めていることも間違いないので、入国禁止にしたり、今回は経済制裁を科す大統領令にまで踏み込みました。アメリカとしてはバランスを取り、2国家解決の道を何とか探っていきたいのでしょう。ガザ地区への侵攻をバイデン政権が支持したままだと、アメリカ国内でもさらにバイデン政権への批判につながると思うので、今後、アメリカの対応にどんな影響を与えるかが注目すべき点です。