中日のラストピースは2軍で無双中の右腕か 残り支配下枠は「1」
プロ野球の支配下登録期限まで残り1か月を切った。各チームが7月31日の締切までに外国人の獲得や育成選手の昇格など、状況に応じた「補強」ないし「補充」を行なっている。今回は中日の動きについて考えたい。 ■残り「1」枠は投手に 前提として、7月4日時点における中日の支配下選手数を下記に示す(カッコ内は育成選手の数)。 投手:33(11)、捕手:6(1)、内野:16(2)、外野:14(2) 投手と野手を合計して69人。今季の登録制限は70人なので、残りの枠は「1」。早い段階でほぼ枠が埋まっている。 では、残りひと枠を埋めるとしたら、どのポジションで埋めるか。筆者は投手優先で考える。他球団、例えば巨人やDeNAは投手が36人登録されており、それよりはちょっと少ない。現状の中日は投手力で勝つチームであり、使える投手のリソースは多いに越したことはないはずだ。 慢性的な長打力不足、得点力不足に目を向けるべきという意見もあると思うが、ここは現有戦力の底上げや、首脳陣のやり繰りに期待しよう。下位に沈んでいるとはいえ、首位やCS圏内まで5ゲーム差前後ならばしっかり狙っていくべき。ストロングポイントの投手力を伸ばすのが得策だろう。 ■松木平を筆頭に若手が選ばれる? ここからは具体的な候補を見ていきたい。この時期まで外国人選手の名前が噂されないということは、「育成枠」からの昇格が現実的。何人かの投手を候補に挙げていく。 ・松木平優太(まつきひら・ゆうた) 昇格候補筆頭の右腕。髙橋宏斗と同級生の高卒4年目。今季は先発ローテの中心で回っており、ウ・リーグトップの9勝をマーク。防御率1.84と内容も上々だ。スタミナ面も申し分なく、14登板で97回2/3を投げている。井上一樹2軍監督から「1年間ローテを守ってみろ」という指令が出ているそうだが、支配下登録かつ1軍での先発となったら話は別なのではないか。 ・近藤廉(こんどう・れん) 左腕から投じるクセ球が持ち味の救援投手。昨季までは背番号「70」の支配下だったが、1イニング10失点の失態を演じたこともあってか、今季は育成でリスタート。チームトップの28試合に投げて、防御率1.08と安定している。ブルペン陣が疲弊する夏場に向け、近藤の支配下返り咲きも視野に入れて良いと思う。 ・石川翔(いしかわ・しょう) 大穴かもしれないが、本格化すると最大の「戦力」になり得る存在。トミー・ジョン手術明けの今季は6月に実戦復帰。ここまで5試合に投げ防御率1.93、イニング数を超える奪三振をマークしている。自慢の速球も150キロ以上を常時計測しており、かつての有望株が復活の時を迎えつつある。 今回は若手投手を取り上げたが、右大腿骨骨折の大ケガから復活を目指す岡田俊哉も先発・リリーフの両方で登板を重ねている。残り「1」枠は岡田も含めたこの4人の育成投手から選ばれるだろう。その時を楽しみにしたい。 [文:尾張はじめ]