クマへの警戒強まる山間部の仕事場で相次ぐ研修、撃退スプレーは「4月輸入分も品薄状態」
その上で、「クマに遭遇し、静かに後ずさりする際には絶対に目を離さない」「キノコ採りの季節はクマの活動時間の明け方と薄暮を避ける」「人に見られるのが嫌で畑の中に潜んでいる場合がある」などと注意喚起した。
■猛スピードで迫られたら…
追い払い用花火とクマ撃退スプレーの発射訓練ではそれぞれ4、5人が1本5発の花火を発射し、訓練用のスプレーを噴射した。このうち安全装置を外して噴射するスプレーは噴射距離が5メートル以上あるが、樋下建設の研修会ではクマ役で迫る社員に噴射する訓練で63歳の社員が安全装置を外せずに終わった。「慌ててしまって」ということで、盛岡森林管理署の研修会でスプレーを噴射した署員も「猛スピードで迫られたら間に合うかどうか…」と不安を口にした。
ところで、昨年からクマ撃退スプレーの入手が難しくなっている。樋下建設も「研修会は昨年から計画していたが、この春にスプレー2本と訓練用5本を購入できたので開くことができた」と担当者。ちなみに、岩手県内の米国製のスプレーの輸入元によると、「秋田県で警察官が襲われてから秋田はじめ各地から問い合わせが相次ぎ、4月に輸入した分も品薄状態」としており、円安で1本2万円以上のスプレーもある。(石田征広)