殺害されたパート従業員の妹、稼いだ日銭を知人に金渡し続け数千万円…福岡県水巻町の強盗殺人
福岡県水巻町で昨年6月、パート従業員の辻つぐみさん(当時52歳)が殺害され、通帳などが奪われた事件で、強盗殺人罪などに問われた辻さんの妹で住居不定、無職辻和美被告(52)の裁判員裁判の初公判が5日、福岡地裁小倉支部(武林仁美裁判長)で始まった。和美被告は、強盗行為を認めたが、辻さんの殺害については否認した。
初公判では、和美被告と知人の無職岡村恵美被告(47)の間の「金」を巡るいびつな人間関係の一端が明かされた。今後の公判で2人の関係性が解明されるかどうかも焦点となる。
検察側の冒頭陳述や捜査関係者によると、2人は約20年前に職場で知り合った。その頃から和美被告は岡村被告に対して金を渡すようになったとみられ、その後、周囲から借金を重ねて2008年頃、家族を残して「失踪」した。
和美被告は定まった住居を持たず、北九州市の公園などで寝泊まりして日銭を稼ぎ、岡村被告に金を渡し続けた。その額は振り込み分だけでも十数年間で数千万円に及んだ。主な名目は借金返済だったとされるが、実際に借りていた形跡はないなど疑問点も多い。
検察側は、事件当日も辻さんの殺害後に口座から得た約103万円のうち、90万円以上が岡村被告に渡っていると主張した。一方で、和美被告の取り分は2000~3000円だったことが岡村被告の長男の公判で明らかになっている。