2024年1月から新NISA が始まりますが、50歳代からの老後資金の資産形成に間に合いますか?
2024年1月より、NISA(少額投資非課税制度)が大幅にリニューアルして新NISAがスタートします。NISAの最大のメリットは、投資で得た運用益を非課税で受け取ることができる点です。 投資による資産運用が前提となるため、これまでNISAでの資産形成に消極的だった中高年の方の多くは、今から始めても遅いのではと思われるかもしれません。 本記事では、50歳代の方が新NISAを利用して投資を始めることの意義や、資産運用で気を付けるポイントについて解説します。
2024年1月スタート! 新NISAの主な変更点
新NISAの主な変更点は、以下の3つです。 ●1. NISAが一本化 現行のNISAは、つみたてNISAと一般NISAに分かれていて、併用はできませんでした。新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という投資枠があり、併用が可能になります。 つみたて投資枠の投資対象商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託となっており、現行のつみたてNISAの対象商品と同様です。一方、成長投資枠では上場株式・投資信託などが投資対象で、つみたて投資枠より選べる商品が多いのが特徴です。 ●2. 投資枠の拡充 現行のNISAでの年間投資枠は、つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円となっています。新NISAでは、年間投資枠が最大360万円(つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円)まで拡充され、生涯の投資枠として1800万円(そのうち成長投資枠は1200万円)まで非課税で運用できます。 ●3. 非課税保有期間が無期限 非課税保有期間について、現行のつみたてNISAは20年間、一般NISAは5年間ですが、新NISAでは非課税保有期間が無期限となりました。
50歳代から新NISAを始める意義
2024年1月から始まる新NISAでは、前述のとおり制度を大幅に拡充し、制度が恒久化され、生涯で最大1800万円を非課税で運用できるのは大きな改革といっていいでしょう。これまで投資による資産運用に対して消極的だった中高年の方にとっては、このタイミングで新NISAを始めるべきか悩ましいところかもしれません。 ただし、投資にはリスクもあるため、新NISAを利用するかどうかの判断は自己責任となりますが、老後の生活に備えた資産形成として、以下の理由で検討することをおすすめします。 ●1. 人生100年時代、老後期間の伸長への対応 厚生労働省が公表している日本人の平均寿命(2022年)は、男性が81.05歳、女性が、87.09歳です。この数字は、今後の医療技術の発展などによって、さらに上昇していくことも予想されます。 例えば、かつては80歳くらいまでを前提として老後の資産形成をしておけばよかったのが、これからは90歳、できれば100歳まで老後の生活が続くと想定した資産形成が必要となります。 ●2. インフレ時の物価上昇への備え 2023年11月時点では、大手金融機関を中心に10年物の定期預金金利が年0.2%へと引き上げられるなど金利は上昇傾向ですが、まだ低水準です。 また、2023年10月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で2.5%上昇し、伸び率は2ヶ月ぶりに前月から縮小しました。物価の上昇が続くインフレ時ではお金の価値が下がることになるため、物価上昇に備えた資産運用も必要と考えられるでしょう。